カネヒキリ・ファンページ



武豊を乗せてパドックを周回するカネヒキリ
2006年2月19日 東京競馬場にて撮影


角居調教師と金子オーナーのツーショットもパチリ

カネヒキリと私〜カネヒキリとの出会いから今まで〜
競馬のページ


カネヒキリ、2度の屈腱炎を乗り越えての、
JCD、東京大賞典、そして川崎記念と
GI3連勝おめでとう!


カネヒキリコラム
過去のコラム
[2009.1.29]
川崎記念優勝おめでとう!!!!!!!!!
更新しなくて良かった〜」ってそれじゃサボってるだけなんだけど(苦笑)。
JCDと東京大賞典の時と違って、今回の川崎記念は絶対に負けられないレースだったので、
当日は仕事中もカネヒキリのことを考えていて、胸がしめつけられるような気分でした。

競馬でこういう雰囲気を体験できるのも、カネヒキリが屈腱炎で休養に入った後は、
ディープインパクトの有馬記念以来。
非常に苦しい気分ですが、一番好きな馬を応援してこういう気分を体験できるのは、
幸せなことなんだと思いました。

カネヒキリの優勝を携帯で知ったときは、会社でありながらバンザイ三唱。
勝って当然の空気でしたが、やっぱりファンとしては心配だったので、
めちゃくちゃ嬉しかったです。

それにしても屈腱炎から復帰してGI3連勝なんて、一体どこまで凄い馬なんですか。
「砂のディープ」の異名は伊達ではなかったということですが、
後世まで語り継がれる伝説のダート王になった感があります。

これで
GI7勝目
ついに「砂のディープインパクト」が本家ディープインパクトにGI勝利数で並びました。
次のフェブラリーステークスで、日本競馬史上初のGI8勝目に挑戦です。
フェブラリー、観に行きたいなぁ!
[12.29]
カネヒキリ
東京大賞典優勝おめでとう!!!!!!!!

フラムドパシオンがレース中に怪我をしてしまったこともあって、
屈腱炎からの復活を遂げたカネヒキリには、多大な期待をかけるのはよしていました。
てっきりフェブラリー直行だと思っていたので、東京大賞典出走にも驚きましたし、
3年前のJCD勝っているとはいえ、カネヒキリには1600が一番の的距離なのでは、
とも思っていたので、東京大賞典も勝つとは心底からは思えませんでした。

しかし今日はヴァーミリアンを完封。一月に2度も感動させてもらうなんて・・・
なんかこのサイトを更新しないほうが、カネヒキリが勝ってくれるような気がしてきました。
実を言うと、ゲンをかついで更新しなかったのですが(苦笑)。
[12.7]
やった〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
まさか勝っちゃうとは!?

ごめんなさい。武蔵野ステークスの敗戦の後、サイトの更新をさぼってしまって。
もうね、涙がちょちょぎれるほど嬉しいですよ。
またカネヒキリのGI勝利を観られる日がくるなんて。
実際に阪神競馬場に行って生のカネヒキリを観られて方が羨ましい。

それにしても、ルメールは上手い!
あんなに番手を前につけるとは予想外でして、
直線でトップに立った後、脚色が鈍って抜かれると思ってしまったのですが。
ルメールありがとう!
[11.8]
ついに2年4ヶ月ぶりの復帰戦当日となりました。
実はライバルたちのこともコメントしようと考えていたのですが、やめました。
もうね、とにかく怪我をしないでゴールして欲しい。
それだけです。

「勝ってくれ」だなんてもう言いません。
もう一度カネヒキリの姿を競馬場で観られるだけで幸せです。
とはいえ、東京競馬場には仕事のため行けませんが(涙)。

でも、もし万が一勝つようなことがあれば、とんでもない出来事ですね。
[2008.11.2]
お待たせしました。
と言っても誰ももう覚えていないと思いますが、
2005年最優秀ダート馬に輝き、GI4勝の実績を誇る、
我らがカネヒキリが、ようやく帰ってきます。

2006年の帝王賞後、屈腱炎を発症。引退かと思われましたが、
ダートのみの実績では種牡馬としての評価が低いと判断され、
現役を続行して治療にあたりました。
1年後厩舎に戻ってきて、芝の札幌記念での復帰のプランもありましたが、
マイルチャンピオンシップ南部杯での復帰となった矢先、
なんと2度目の屈腱炎を発症!
再び休養となってしまいました。

前走から2年4ヶ月のブランクを経て、
ようやく復帰とあいなったカネヒキリ。
果たして全盛期の力は残っているのか。
残っていたとして、その力を発揮することは出来るのか。

いや、もうね、ファンとしては無事に走ってきて欲しい。
それだけですね。


プロフィール
生年月日 2002年2月26日 調教師 角居勝彦(栗東)
性別 馬主 金子真人ホールディングス
馬齢 7歳 生産者 ノーザンファーム
毛色 栗毛 産地 北海道勇払郡早来町
全成績 18戦11勝(中央12戦7勝・地方5戦4勝・海外1戦0勝)
ダート成績 15戦11勝 重賞 8勝(GI7勝・GIII1勝)
総賞金 7億1629万9000円
30万ドル(約3100万円)
受賞歴 2005年度JRA最優秀ダートホース
2005年度ダートグレード競争最優秀馬
2008年度JRA最優秀ダートホース
2008年度ダートグレード競走特別賞
血統
フジキセキ サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
ミルレーサー Le Fabuleux
Marston's Mill
ライフアウトゼア Deputy Minister Vice Regent
Mint Copy
Silver Valley Mr. Prospector
Seven Valleys
No 日付 開催
レース名 距離






騎手
タイム
上3F 馬体重
04/07/31 新潟5R 2歳新馬 芝1400 14 8 14 3 6.7 4 柴田善臣 54.0 1.24.6 1.6 37.1 516
04/08/21 小倉2R 2歳未勝利 芝1800 13 4 5 5 8.9 11 福永祐一 54.0 1.51.0 2.1 37.5 504(-12)
05/02/13 京都2R 3歳未勝利 ダ1800 14 8 13 9 59.5 1 池添謙一 56.0 1.53.3 -1.2 36.7 508(+4)
05/02/26 中山7R 3歳500万下 ダ1800 10 7 8 1 1.3 1 ペリエ 56.0 1.53.3 -1.8 37.6 508(0)
05/03/26 阪神11R 毎日杯(GIII) 芝2000 14 8 13 3 8.3 7 武豊 56.0 2.03.0 0.8 35.2 500(-8)
05/04/30 京都10R 端午ステークス ダ1800 14 6 9 1 1.2 1 武豊 56.0 1.50.8 -1.4 36.5 500(0)
05/06/04 東京11R ユニコーンステークス(GIII) ダ1600 16 6 11 1 1.1 1 武豊 56.0 1.36.5 -0.3 37.3 502(+2)
05/07/13 大井9R ジャパンダートダービー(GI) ダ2000 14 6 10 1 1.1 1 武豊 56.0 2.04.9 -0.8 37.8 505(+3)
05/09/19 盛岡10R ダービーグランプリ(GI) ダ2000 12 4 6 1 1.0 1 武豊 56.0 2.03.8 -0.4 35.4 503(-2)
10 05/10/29 東京11R 武蔵野ステークス(GIII) ダ1600 16 4 8 1 1.3 2 武豊 57.0 1.35.5 0.3 36.2 510(+7)
11 05/11/26 東京11R ジャパンカップダート(GI) ダ2100 16 5 10 1 2.1 1 武豊 55.0 2.08.0 -0.0 36.2 514(+4)
12 06/02/19 東京11R フェブラリーステークス(GI) ダ1600 16 7 14 1 2.7 1 武豊 57.0 1.34.9 -0.5 35.7 516(+2)
13 06/03/25 ドバイ7R ドバイワールドカップ(GI) ダ2000 11 3 5 2 3.5 4 武豊 57.0
14 06/06/28 大井11R 帝王賞(GI) ダ2000 13 5 6 1 1.6 2 武豊 57.0 2.02.3 0.2 36.9 524
No 日付 開催
レース名 距離






騎手
タイム
上3F 馬体重
15 08/11/08 東京11R 武蔵野ステークス(GIII) ダ1600 16 1 1 2 6.4 9 武豊 58.0 1.36.6 0.6 36.7 534(+10)
16 08/12/07 阪神11R ジャパンカップダート(GI) ダ1800 15 5 10 4 9.8 1 ルメール 57.0 1.49.2 0.0 36.4 530(-4)
17 08/12/29 大井10R 東京大賞典(GI) ダ2000 10 8 9 2 3.1 1 ルメール 57.0 2.04.5 0.0 35.1 528(-2)
18 09/01/28 川崎10R 川崎記念(GI) ダ2100 13 3 3 1 1.1 1 ルメール 57.0 2.13.3 0.1 36.5 533(+5)
総賞金・収得賞金(国内)
レース名(赤字はGI勝) 総賞金
(万円)
2005年
2歳新馬 110.0
3歳未勝利 500.0
3歳500万下 700.0
端午ステークス 1,933.6
ユニコーンステークス 3,860.9
ジャパンダートダービー 5,000.0
ダービーグランプリ 5,000.0
武蔵野ステークス 1,617.0
ジャパンカップダート 13,357.0
2006年
フェブラリーステークス 9,744.4
帝王賞 2,450.0
2008年
ジャパンカップダート 13,357.0
東京大賞典 8,000.0
2009年
川崎記念 6,000.0
合計 71,629.9


カネヒキリ・レースプレイバック・その1
カネヒキリ第1戦 2歳新馬
2004年7月31日 新潟5R 芝・左1400m 良馬場



馬名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 上3F
単勝 馬体重
1 4 6 フェリシア 牝2 54 北村宏司 1,23.0 - 35.4 1 2.3 438
2 1 1 グラスジュリ 牝2 54 村田一誠 1,23.3 2 36.1 9 45.9 440
3 3 4 ゲンパチレジスタ 牡2 54 小林久晃 1,23.8 3 36.0 6 12.3 482
4 8 14 カネヒキリ 牡2 54 柴田善臣 1,24.6 5 37.1 3 6.7 516
5 3 3 ノボファイター 牡2 54 後藤浩輝 1,24.6 ハナ 37.1 7 17.1 462
6 8 13 ニューグランジ 牝2 54 蛯名正義 1,24.6 アタマ 36.5 2 4.6 442
7 2 2 シルクプライズ 牡2 54 田中勝春 1,24.7 クビ 36.4 4 6.9 414
8 5 8 ミヤコノオカメ 牝2 54 石神深一 1,25.2 3 36.5 13 245.0 440
9 6 10 メジロセイバー 牡2 54 横山義行 1,25.4 1.1/2 37.3 8 42.9 414
10 6 9 マルタカハーモニー 牡2 54 吉田豊 1,25.6 1 37.0 12 123.7 482
11 5 7 ルナガイア 牝2 54 江田照男 1,26.4 5 39.0 10 58.1 450
12 7 11 ベルゲン 牡2 54 中舘英二 1,26.6 1.1/4 38.9 5 10.4 496
13 7 12 ダイワハイライズ 牡2 54 柴田大知 1,28.2 10 39.6 14 256.1 480
14 4 5 コーソク 牡2 54 郷原洋司 1,28.3 3/4 41.0 11 111.8 406
カネヒキリのデビュー戦は、2004年7月の新潟。新馬としては早いデビューであった。
1400mというレースは、後のカネヒキリにしては短かったような気がする。
大外14番を引いたカネヒキリだったが、芝レースにしてはいいスタートを切り、
一時は先頭を窺うほどであったが、その後騎手の柴田が手綱を抑えたのか、
中段あたりまで順位をさげ、開いた隙間からウチに入る競馬となった。
そのまま中段をキープすると思われたが、3コーナーから4コーナーにかけて、
ウチから再び伸びてきてトップにせまる勢いに。
しかし直線ではまったく足が伸びず、1位のフェリシアから10馬身、
1秒6も離されての4位入線となった。
1位のフェリシアは、その後フェアリーSを勝つ実力馬であるが、
それ以外の馬は特に強い面子が揃ったわけではない。
カネヒキリの上がり3Fは37秒1と、平凡なタイムに終わっており、
やはり4コーナーまでに足を使ってしまったことが、大きかったか。
スタートが良かっただけに、あのまま好位をキープをする競馬でも良かった感があるが、
今となってはタラレバである。
カネヒキリ第2戦 2歳未勝利
2004年8月21日 小倉2R 芝・右1800m 良馬場



馬名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 上3F
単勝 馬体重
1 1 1 ニホンピロブレイブ 牡2 54 安藤勝己 1,48.9 - 35.4 2 4.2 466(+2)
2 4 4 サンオース 牡2 54 幸英明 1,49.1 1.1/4 35.6 3 4.4 460(+2)
3 6 8 マルイチハミング 牡2 54 佐藤哲三 1,49.1 クビ 35.2 8 57.6 494(0)
4 8 12 イブキレボルシオン 牡2 54 小牧太 1,48.9 35.2 1 2.9 502(-14)
5 7 11 コウエイマーブル 牡2 54 池添謙一 1,49.1 ハナ 35.8 4 5.3 464(0)
6 2 2 トーホウレビン 牝2 54 渡辺薫彦 1,49.2 クビ 35.5 6 15.4 464(+6)
7 6 9 デンコウタービン 牡2 54 武幸四郎 1,49.2 クビ 35.3 7 37.7 448(-8)
8 7 10 マイネノビア 牝2 54 内田浩一 1,49.3 クビ 36.1 10 70.7 476(+2)
9 5 6 コスモユウシ 牡2 54 秋山真一郎 1,49.7 2.1/2 36.0 9 69.2 452(+6)
10 5 7 クリスクリングル 牡2 54 太宰啓介 1,50.3 3.1/2 36.3 12 105.5 542(-6)
11 4 5 カネヒキリ 牡2 54 福永祐一 1,51.0 4 37.5 5 8.9 504(-12)
12 8 13 グラールステージア 牡2 54 古川吉洋 1,51.2 1.1/2 37.8 13 264.0 426(0)
13 3 3 ワンダースピード 牡2 54 長谷川浩大 1,51.4 1.1/4 37.2 11 104.1 462(-4)
2戦目は小倉の1800m。前走から12kg減の504kgで出走してきたカネヒキリは、
このレースでも問題ないスタートを切った。そのまま6番手をキープして4コーナーへ。
ところがここから前走と同じように伸びがなかった。
上がり3F35秒台をたたきだした馬が7頭いた中で、
37秒5とまったく伸びなかったカネヒキリは、11着と惨敗してしまった。
今回のレースはスタートも位置取りも悪くなかったうえ、相手もそれほど強くなかった。
このへんが、カネヒキリに芝レースへの適正がなかったというところなのだろうか。
カネヒキリ第3戦 3歳未勝利
2005年2月13日 京都2R ダート・右1800m 良馬場
初勝利(通算3戦1勝)



馬名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 上3F
単勝 馬体重
1 8 13 カネヒキリ 牡3 56 池添謙一 1,53.3 - 36.7 9 59.5 508(+4)
2 2 2 サンシーズン 牡3 56 藤田伸二 1,54.5 7 37.7 2 3.6 490(-8)
3 5 7 メンデル 牡3 56 武豊 1,54.7 1 38.2 4 8.2 454(-2)
4 3 4 ステラバスク 牡3 56 小牧太 1,55.2 3 38.8 1 1.9 506(-2)
5 6 10 ピーニョリブロ 牡3 56 安藤勝己 1,55.3 1/2 38.4 3 6.5 534(-10)
6 1 1 タマモコンチェルト 牡3 56 福永祐一 1,55.3 クビ 38.4 6 29.7 518(0)
7 8 14 ナリタブラック 牡3 56 熊沢重文 1,55.7 2.1/2 38.4 8 49.6 470(0)
8 7 11 ヘイアンコンドル 牡3 56 安田康彦 1,55.8 クビ 38.0 5 27.0 486(0)
9 4 5 ビッグローレル 牡3 56 幸英明 1,55.9 3/4 37.6 11 134.4 504(+4)
10 3 3 ブイラッキー 牡3 56 柴原央明 1,56.1 1.1/2 38.8 13 290.6 454(-2)
11 5 8 レインボートップ 牡3 56 小原義之 1,56.7 3.1/2 39.1 12 167.1 490(0)
12 6 9 リキアイワカアシ 牡3 56 松永幹夫 1,56.9 1.1/2 38.8 7 46.8 518(+2)
13 4 6 ネクストスター 牡3 56 石橋守 1,58.0 7 39.6 10 103.4 476(+2)
14 7 12 メイショウボンテン 牡3 56 長谷川浩大 1,58.7 4 40.3 14 493.5 482(-2)
前走後ソエが出てしまったため、半年間の休養をとることになり、放牧に出されたカネヒキリ。
調教でも時計が出ていたことから、休養後の初レースは2月京都のダート未勝利戦となった。
そしてここから、カネヒキリ伝説が始っていくことになる。
前2走が凡走だったため、14頭中9番人気での出走だったが、
スタートから先団に位置すると、そのまま3番手をキープして第4コーナーへ。
ここからカネヒキリの脚が伸びると、直線に差し掛かったあたりで早くも先頭を捕らえ、
あとは1頭だけ次元の違う鬼脚で他馬を圧倒。
上がり3F36秒7で駆け抜けたカネヒキリは、2着に1秒2、7馬身の差をつけて圧勝。
伝説の幕が開いた。
カネヒキリ第4戦 3歳500万下
2005年2月26日 中山7R ダート・右1800m 重馬場
ダート2連勝(通算4戦2勝)



馬名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 上3F
単勝 馬体重
1 7 8 カネヒキリ 牡3 56 ペリエ 1,53.3 - 37.6 1 1.3 508(0)
2 2 2 シュウザンイーグル 牡3 56 田中勝春 1,55.1 大差 38.7 5 28.3 530(+2)
3 5 5 グッドエモーション 牡3 56 蛯名正義 1,55.2 3/4 39.4 7 43.9 460(+2)
4 7 7 オメガエンドレス 牡3 56 柴田善臣 1,55.3 クビ 39.3 6 31.1 458(+2)
5 6 6 ウォーターダッシュ 牡3 56 中舘英二 1,55.7 2.1/2 40.1 3 11.8 510(-2)
6 8 10 バトルエアーカット 牝3 54 バルジュー 1,55.7 ハナ 39.5 9 120.0 430(-10)
7 8 9 コスモライライ 牡3 56 後藤浩輝 1,56.1 2.1/2 39.7 8 106.9 492(-8)
8 4 4 ワキノムテキ 牡3 56 北村宏司 1,56.1 アタマ 39.6 4 20.2 514(+4)
9 3 3 アイノクエスト 牡3 56 吉田豊 1,56.2 1/2 40.2 2 4.6 514(-4)
10 1 1 コスモシンドバッド 牡3 56 武士沢友治 1,58.7 大差 42.2 10 199.2 466(0)
間2週で出走してきた休養後2戦目は、またもやダート戦。
前走の勝ちっぷりから早くもダート路線に変更したのかと思いそうだが、そうではなく、
この時期角居厩舎はまだ、クラシック路線を目指そうとしていた。
しかし皐月賞へ出走させるには賞金が足りないため、
確実に賞金を加算できるダート戦に出走してきたものと思われる。
ファンも前走の走りには衝撃だったのか、
早くもカネヒキリはこのレースで、単勝1.3倍の圧倒的1番人気に支持された。
あいにくの重馬場ながら、カネヒキリはその支持に応えるかのようなすばらしい走りを披露。
前走以上の衝撃を与え、一躍3歳ダート界の新星として、注目を浴びることとなった。
スタートはそれほどでもなかったものの、第1コーナーまでに早くも2番手につける先行策。
4コーナーで先頭に並びかけると、直線では1完歩ごとに2着以下を引き離す衝撃の鬼脚。
重馬場ながら上がり3F37秒6。2着になんと1秒8の大差をつける、まさに圧勝劇であった。
カネヒキリ第5戦 第52回毎日杯(GIII)
2005年3月26日 阪神11R 芝・右2000m 良馬場
通算5戦2勝3敗



馬名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 上3F
単勝 馬体重
1 4 6 ローゼンクロイツ 牡3 57 安藤勝己 2,02.2 - 34.1 2 2.3 462(+2)
2 3 3 コスモオースティン 牡3 56 武幸四郎 2,02.4 1.1/4 34.9 5 20.9 468(-10)
3 2 2 コンゴウリキシオー 牡3 57 藤田伸二 2,02.4 ハナ 34.6 1 2.3 496(+6)
4 7 11 マルカジーク 牡3 56 角田晃一 2,02.5 1/2 34.0 4 19.9 468(0)
5 5 8 コメディアデラルナ 牡3 56 幸英明 2,02.7 1.1/4 34.7 9 65.4 492(-6)
6 7 12 レットバトラー 牡3 56 福永祐一 2,02.8 3/4 34.6 8 32.7 504(+4)
7 8 13 カネヒキリ 牡3 56 武豊 2,03.0 1.1/2 35.2 3 8.3 500(-8)
8 1 1 エイシンサリヴァン 牡3 56 吉田豊 2,03.2 1.1/4 34.3 6 24.0 480(-6)
9 3 4 エプソムドン 牡3 56 柴原央明 2,03.4 1 35.0 14 305.3 494(-8)
10 6 10 ケージーツヨシ 牡3 56 上村洋行 2,03.6 1.1/2 35.5 10 86.4 520(+2)
11 6 9 テイエムメガスター 牡3 56 松永幹夫 2,03.8 1.1/2 35.2 12 109.9 462(-10)
12 5 7 トーセンマエストロ 牡3 56 デムーロ 2,03.9 3/4 35.1 7 30.6 436(-4)
13 4 5 シルクトゥルーパー 牡3 56 四位洋文 2,04.0 クビ 35.7 11 107.6 452(-4)
14 8 14 マルチクエスト 牡3 56 池添謙一 2,05.2 7 37.3 13 216.8 486(0)
ダート2戦を圧倒的な強さで勝ち上がったカネヒキリは、
クラシック皐月賞出走をにらんで、GIII毎日杯に出走してきた。
3連勝できさらぎ賞(GIII)を制したコンゴウリキシオーに、
ラジオたんぱ杯2歳S(GIII)2着のローゼンクロイツと、強いメンバーが出走してきた中で、
カネヒキリも前2走が評価されて3番人気に推された。
また5戦目にして初めて武豊が騎乗。
ここから武豊のお手馬になっていくわけだが、さすがに芝レースはカネヒキリに合わないのか、
積極的な先行策で2番手をキープして展開も悪くなかったのだが、
デビュー2戦の時と同じく直線にはいってから全く伸びず、ズルズルと後退して7着。
賞金を加算してクラシック出走権利を得る厩舎サイド側の目論見は外れてしまった。
カネヒキリ第6戦 端午ステークス
2005年4月30日 京都10R ダート・右1800m 良馬場
ダート3連勝(通算6戦3勝)



馬名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 上3F
単勝 馬体重
1 6 9 カネヒキリ 牡3 56 武豊 1,50.8 - 36.5 1 1.2 500(0)
2 8 13 エイシンニュートン 牡3 56 熊沢重文 1,52.2 9 38.1 10 91.6 482(-4)
3 6 10 デイフラッシュ 牡3 56 安藤勝己 1,52.3 クビ 37.2 2 6.5 510(+6)
4 5 8 ニシノアレックス 牡3 56 池添謙一 1,52.6 1.3/4 37.6 12 143.6 496(-10)
5 5 7 マルカラスカル 牡3 56 吉田稔 1,52.6 クビ 38.2 13 197.3 488(+2)
6 4 5 アドマイヤムサシ 牡3 56 上村洋行 1,52.7 クビ 37.9 3 10.6 474(0)
7 3 4 セレスエンブレム 牡3 56 福永祐一 1,52.8 1/2 38.4 4 19.7 496(-2)
8 4 6 ツルマルフェロー 牡3 56 武幸四郎 1,53.0 1.1/4 37.4 9 87.6 420(-2)
9 3 3 リードオフマン 牡3 56 小牧太 1,53.0 クビ 37.5 7 59.2 496(-4)
10 1 1 スナークファルコン 牡3 56 和田竜二 1,53.1 1/2 37.8 6 47.7 458(+10)
11 7 11 コウジンアルス 牡3 56 徳吉孝士 1,54.2 7 40.1 14 520.3 458(-4)
12 7 12 フォーカルフィギア 牡3 56 角田晃一 1,54.5 1.3/4 39.8 5 35.8 500(+2)
13 8 14 エイシンアスワン 牡3 56 四位洋文 1,54.7 1.1/2 40.1 11 112.3 484(+4)
14 2 2 フェアリーブレス 牝3 54 佐藤哲三 1,55.6 5 40.3 8 78.4 454(+2)
皐月賞の出走権を逃してしまったカネヒキリだが、ダービーへの出走を夢見るなら、
青葉賞などに出走させるプランもあったのだが、
3歳クラシックにはカネヒキリと同馬主の、あのディープインパクトがいたため、
強い勝ち方をしているダート路線でいくことになった。
そんなわけで、再びダートに戻ってきたカネヒキリは、3歳のオープン戦に出走。
前走後、一度ダートで乗ってみたいと漏らしていた武豊の希望がかない、2走続けて武豊。
ダート戦ではまたもや単勝1.2倍の、圧倒的一番人気の支持を得たカネヒキリ。
いいスタートを切り先団6番手につけると、3コーナーから早くも上がっていき、
4コーナーを回って直線に入ると一気に先頭へ。
三度衝撃の鬼脚を繰り出し、上がり3F36.5でまさに圧勝。
ラスト1Fでは武豊が手綱を抑える余裕を見せながら、2着に9馬身差をつける勝ちっぷりに、
どこからか“砂のディープインパクト”と呼ばれるようになっていた。
カネヒキリ第7戦 第10回ユニコーンステークス(GIII)
2005年6月4日 東京11R ダート・左1600m 良馬場
ダート4連勝(通算7戦4勝)



馬名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 上3F
単勝 馬体重
1 6 11 カネヒキリ 牡3 56 武豊 1,36.5 - 37.3 1 1.1 502(+2)
2 1 2 アグネスジェダイ 牡3 56 小牧太 1,36.8 1.3/4 37.7 4 33.8 484(-6)
3 8 16 ドンクール 牡3 57 熊沢重文 1,37.0 1 37.4 2 7.3 488(-6)
4 2 3 デイフラッシュ 牡3 56 柴田善臣 1,37.5 3 37.0 8 75.7 502(-8)
5 8 15 プライドキム 牡3 56 池添謙一 1,37.8 2 38.5 5 43.8 482(+6)
6 5 10 オーギュスト 牡3 56 勝浦正樹 1,37.8 ハナ 37.1 7 51.4 516(-2)
7 7 13 シンメイレグルス 牡3 56 長谷川浩大 1,37.8 クビ 37.9 3 17.4 446(-4)
8 1 1 マルカラスカル 牡3 56 松岡正海 1,37.9 クビ 37.5 12 311.4 480(-14)
9 3 5 エイシンニュートン 牡3 56 福永祐一 1,37.9 ハナ 38.4 9 118.1 478(0)
10 4 8 サンワードラン 牡3 56 藤田伸二 1,38.6 4 37.8 10 225.3 490(0)
11 2 4 ボライトストーン 牝3 54 吉田豊 1,38.8 1 39.1 11 232.2 478(0)
12 7 14 モエレアドミラル 牡3 56 江田照男 1,38.8 クビ 38.5 6 48.8 476(+2)
13 4 7 ウエスタンリジ 牡3 56 小野次郎 1,39.0 1 38.3 13 334.1 506(0)
14 3 6 エイシンイーデン 牡3 56 石橋脩 1,39.2 1 40.0 15 479.3 470(+4)
15 6 12 シベリアンライオン 牡3 56 後藤浩輝 1,39.6 2.1/2 39.4 14 415.3 490(+4)
16 5 9 コウジンアルス 牡3 56 吉永護 1,39.9 2 39.6 16 899.9 460(+2)
ディープインパクトがダービーを無敗で制した翌週、
同じ生産者、同じ馬主、同じ騎手のカネヒキリが、3歳ダート三冠の1戦目である、
ユニコーンステークスに出走してきた。まず驚かされたのが、カネヒキリの単勝支持率。
73.92%は、ダービーでのディープインパクトの73.4%をも上回る支持率の高さ。
今回はさすがに出走馬のレベルが高く、カネヒキリ以外の馬でも有力馬はゾロゾロいた。
デビュー戦からダート5連勝のドンクール、カネヒキリと同じくダート3戦3勝のシンメイレグルス、
昨年の全日本2歳優駿(GI)を制したプライドキム。
このレースも先行すると思われるアグネスジェダイも、ダートでは安定した結果を出していて、
決してあなどれない1頭。
このデータを見ると、決してカネヒキリが抜きん出ているとは思えないのだが、
やはり過去ダート3戦での勝ちっぷりがあまりにも衝撃的であったのか、
それともディープ人気の影響からか、単勝1.1倍の圧倒的一番人気となってしまった。
実際カネヒキリは今回のレース、1600mが初めてであり、左回りもダートでは初めて。
おまけに東京の1600は、スタート地点が芝という特殊なコース。
不安材料も多かった中、その不安が的中してスタートで出遅れてしまった。
今まで砂をかぶったり揉まれたりしたことがカネヒキリにはなく、
そういう経験をしていかなくては、将来古馬と当たった時に勝てないので、
普通ならそのままの順位を保つのだが、
確実に賞金を加算させてJDDに出走させることを考えていた武豊は、
あえて序盤から脚を使い、砂をかぶらない好位の3番手につけさせた。
先行したのは予想通りアグネスジェダイ。
カネヒキリは直線で先頭に並びかけたが、序盤で脚を使っていたため、
今までのような鬼脚を繰り出すことは出来なかったが、粘るアグネスジェダイを振り切り、
見事重賞初制覇を成し遂げた。
この勝利によって、中央3歳ダート王の称号を得たカネヒキリは、
いよいよ地方競馬の有力馬との対戦となる、ジャパンダートダービーに向かうことになった。


カネヒキリ・レースプレイバック・その2
カネヒキリ第8戦 第7回ジャパンダートダービー(統一GI)
2005年7月13日 大井9R ダート・右2000m 良馬場
ダート5連勝(通算8戦5勝) GI初制覇



馬名 所属 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 上3F
単勝 馬体重
1 6 10 カネヒキリ JRA 牡3 56 武豊 2,04.9 - 37.8 1 1.1 505(+3)
2 6 9 メイプルエイト 船橋 牡3 56 張田京 2,05.7 4 38.5 6 27.1 526(+2)
3 8 14 ボンネビルレコード 大井 牡3 56 的場文男 2,06.0 1.1/2 38.4 9 113.8 466(+4)
4 5 7 ブラウンコマンダー 船橋 牡3 56 左海誠二 2,06.0 アタマ 38.2 8 104.1 432(-8)
5 1 1 ドンクール JRA 牡3 56 熊沢重文 2,06.0 ハナ 38.9 2 7.1 496(+8)
6 3 3 プライドキム JRA 牡3 56 池添謙一 2,06.4 2 39.2 7 34.2 480(-2)
7 7 11 コンゴウリキシオー JRA 牡3 56 藤田伸二 2,06.7 1.1/2 39.5 3 14.6 496(+2)
8 8 13 アグネスジェダイ JRA 牡3 56 小牧太 2,07.1 2 40.1 5 18.6 488(+4)
9 5 8 ダンシングスキー 大井 牡3 56 鈴木啓之 2,07.6 2.1/2 39.2 12 320.0 486(+7)
10 4 5 セントレアリキ 愛知 牡3 56 吉田稔 2,07.9 1.1/2 39.9 10 177.0 510(-9)
11 4 6 キョウエイペガサス 大井 牡3 56 山田信大 2,08.8 4 40.8 13 326.7 457(-4)
12 7 12 チャコティー 愛知 牡3 56 清家義徳 2,08.8 アタマ 40.6 14 511.0 412(+4)
13 3 4 マズルブラスト 船橋 牡3 56 内田博幸 2,09.4 3 42.3 4 18.1 520(+6)
14 2 2 スコッツデール 愛知 牡3 56 安部幸夫 2,09.5 1/2 40.9 11 199.3 523(-2)
3歳ダート王決定戦である、統一GIジャパンダートダービー。
中央競馬の王者カネヒキリと、南関東王者のシーチャリオットの対戦が予定されていたが、
シーチャリオットの骨折により、カネヒキリの1強となってしまった。
もはやカネヒキリがどのような勝ち方をするかのほうに注目が移り、
馬券もカネヒキリを軸にした2、3着探しとなっていた。
単勝支持率は68.7%と前走よりは下がったが、それでも単勝オッズは圧倒的の1.1倍であった。
相変わらずスタートの良いカネヒキリは、第1コーナーで4番手の絶好の位置につけると、
4コーナーで馬なりで早くも先頭にたち、あとは上がり3F37秒8で駆け抜ける圧勝劇。
戦前の予想通りカネヒキリの強さだけが際立ったレースであった。
カネヒキリに4馬身差の2着には、船橋のメイプルエイトが入り、
3着に地元大井のボンネビルレコード、4着にも船橋のブラウンコマンダーが入り、
2〜4着を地方勢が占める結果となった。
一方カネヒキリ以外のJRA勢は、カネヒキリとの勝負に出た結果、惨敗に終わってしまった。
既にユニコーンステークスで、カネヒキリとの勝負付けが終わっていた感のあったJRA勢だが、
このジャパンダートダービーでもその劣勢を覆すことはできなかった。
これでカネヒキリは、ダート無敗の5連勝で統一GI制覇を成し遂げ、
フジキセキ産駒初のGI制覇となった。
カネヒキリ第9戦 第20回ダービーグランプリ(統一GI)
2005年9月19日 盛岡10R ダート・左2000m 良馬場
ダート6連勝(通算9戦6勝) 3歳ダート統一GI連覇



馬名 所属 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 上3F
単勝 馬体重
1 4 6 カネヒキリ JRA 牡3 56 武豊 2,03.8 - 35.4 1 1.0 503(-2)
2 8 14 サンライズバッカス JRA 牡3 56 佐藤哲三 2,04.2 2.1/2 35.5 2 7.1 461(-1)
3 6 10 ドンクール JRA 牡3 56 後藤浩輝 2,05.4 7 37.2 3 12.8 497(-21)
4 5 7 コンゴウリキシオー JRA 牡3 56 田中勝春 2,06.5 7 38.4 5 44.1 485(-11)
5 3 4 アグネスジェダイ JRA 牡3 56 菅原勲 2,07.1 4 39.0 4 15.1 497(+7)
6 8 13 エッチケイタイガー 岩手 牡3 56 板垣吉則 2,07.1 アタマ 8 259.3 489(-3)
7 7 12 マツリダパレス 岩手 牡3 56 小林俊彦 2,08.0 6 6 147.3 461(+3)
8 4 5 ダイヤサンディ 岩手 牡3 56 村松学 2,08.2 1 9 314.9 450(+5)
9 5 8 コスモジェントル 岩手 牡3 56 村上忍 2,10.0 大差 7 181.4 477(+5)
10 7 11 ニシキオジジアン 愛知 牡3 56 大畑雅章 2,10.3 1.3/4 10 365.0 487(+3)
11 2 2 オグリガード 笠松 牡3 56 尾島徹 2,10.9 4 12 369.7 449(-1)
12 1 1 アンダーリュウセイ 岩手 牡3 56 沢田盛夫利 2,11.1 1 11 369.7 460(+2)
3 3 ケイアイダンシング 愛知 牡3 56 岡部誠 - - - - - -
6 9 メイプルエイト 船橋 牡3 56 張田京 - - - - - -
秋の3歳ダート王決定戦となる、統一GIダービーグランプリ。
ダート無敗でダービーグランプリを制したカネヒキリを負かすのはどの馬なのか、
に注目が集まるところなのだが、JRA勢のドンクール、アグネスジェダイ、コンゴウリキシオーは、
ジャパンダートダービーで勝負付けが終わっており、
地元岩手勢にはカネヒキリと戦えるほどの強い馬はおらず、
ダービーグランプリで2着に入った船橋のメイプルエイトが、出走取り消しになってしまったため、
カネヒキリの対抗馬は夏の上がり馬、ダート4連勝のうえ、古馬とも2回勝っている経験のある、
サンライズバッカス1頭ということになった。
唯一の不安は2000mという距離が、サンライズバッカスには長いのではないかということ。
一方カネヒキリは、直前の追い切りが芳しくなく、体調不良の噂がささやかれていた。
しかしいざレースが始ると、カネヒキリはスタートも良く、絶好の4番手につけた。
サンライズバッカスはぴったりカネヒキリをマーク。
一方先頭はアグネスジェダイとドンクールの争いであったが、
2コーナーでコンゴウリキシオーが引っかかってしまい先頭に立ってしまった。
そのまま4コーナーに向かうと、4番手につけていたカネヒキリが徐々にペースをあげ、
直線にかかると先頭に踊り出た。先頭につけていた3頭はもう力なく落ちていき、
唯一サンライズバッカスがカネヒキリに食らい付いていったが、
上がり3F35秒4の強烈な鬼脚を繰り出したカネヒキリにはやはりかなわず、
2馬身半の差をつけて見事ダート無敗での統一GI連覇、
ユニコーンステークスを加えての3歳ダート無敗三冠に輝いたのであった。
結局カネヒキリの単勝支持率は75.1%にまで達し、菊花賞のディープインパクトよりひと足早く、
単勝100円元返しの快挙のおまけ付きであった。
カネヒキリ第10戦 第10回東京中日スポーツ杯武蔵野ステークス(GIII)
2005年10月29日 東京11R ダート・左1600m 良馬場
ダート初の敗戦(通算10戦4敗)



馬名 所属 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 上3F
単勝 馬体重
1 2 4 サンライズバッカス JRA 牡3 54 佐藤哲三 1,35.2 - 36.2 2 12.5 464(+3)
2 4 8 カネヒキリ JRA 牡3 57 武豊 1,35.5 1.3/4 36.2 1 1.3 510(+7)
3 3 6 ヒシアトラス JRA 牡5 57 小野次郎 1,35.6 3/4 37.1 7 30.8 540(+12)
4 2 3 アジュディミツオー 船橋 牡4 59 内田博幸 1,35.9 1.3/4 37.4 5 19.1 532(+7)
5 1 1 ハギノベルテンポ JRA 牡5 56 横山典弘 1,36.7 5 37.1 10 103.2 474(+10)
6 7 14 マイネルモルゲン JRA 牡5 57 柴田善臣 1,36.7 クビ 37.9 6 19.7 474(+2)
7 8 15 サイレントディール JRA 牡5 57 ペリエ 1,36.8 1/2 37.8 4 13.6 516(-8)
8 6 11 ベラージオ JRA 牡6 56 勝浦正樹 1,36.9 クビ 37.8 13 483.8 508(+6)
9 8 16 トップオブワールド JRA 牡4 57 松岡正海 1,37.0 1/2 37.9 12 209.8 494(+6)
10 4 7 ドンクール JRA 牡3 56 後藤浩輝 1,37.3 2 39.1 8 45.4 492(-4)
11 7 13 カフェオリンポス JRA 牡4 59 四位洋文 1,37.4 3/4 39.2 11 149.2 508(+2)
12 6 12 トウショウギア JRA 牡5 56 田中勝春 1,37.8 2.1/2 40.3 3 13.4 514(+2)
13 3 5 エドモンダンテス JRA 牡5 56 吉田豊 1,37.9 1/2 38.3 14 499.1 458(-2)
14 1 2 トシザボス JRA 牡7 56 北村宏司 1,38.0 3/4 38.1 16 717.9 504(+2)
15 5 10 クーカイ JRA 牡5 56 小林淳一 1,38.1 クビ 39.2 15 653.3 526(+10)
16 5 9 サンライズキング JRA 牡6 56 蛯名正義 1,38.2 1/2 40.0 9 49.2 530(-10)
今年の目標をジャパンカップダートに置いていたカネヒキリは、ダービーグランプリ勝利後、
出走権利を得ていたJBCクラシック(統一GI)ではなく、
武蔵野ステークス(GIII)をステップにJCDを目指すことになった。
そのため、タイムパラドックスを筆頭にユートピア、サカラート、パーソナルラッシュ、
シーキングザダイヤ、ナイキアディライトといった古馬の有力馬たちとの対戦は、
JCDまでおあずけとなってしまったが、昨年の東京大賞典(統一GI)の覇者アジュディミツオーに、
2年前の武蔵野ステークスを勝ったサイレントディールなど、決して侮れない面子が揃った。
初の古馬との対戦となるカネヒキリと違い、既に2回古馬に勝った経験あるサンライズバッカスは、
前走ダービーグランプリの雪辱に燃えているし、1600mのマイル戦というのもバッカス優位か。
しかし“砂のディープインパクト”という呼び名もすっかり定着してしまったカネヒキリは、
初の古馬の対戦となる今回も、単勝1.3倍の圧倒的一番人気に支持された。
無敗でのJCD挑戦が大方の予想であったが、カネヒキリはスタートで躓き大きく出遅れてしまった。
東京のダート1600は芝スタート。芝を苦手にしていたカネヒキリが、その芝で躓いてしまった。
最後方からの競馬となってしまったカネヒキリは、最後の直線上がり36.2のタイムで追い上げるも、
サンライズバッカスに1馬身3/4届かず2位。ダート初の敗戦となってしまった。
しかしカネヒキリも負けてなお強しというレース内容。
初めて砂をかぶり、馬混みに揉まれ、後方からの競馬となりながらも、カネヒキリは動じる様子も無く、
直線での差し脚は健在であった。この経験はJCDを前に大きな収穫となったことは確かで、
無敗の呪縛から逃れ、“砂のディープインパクト”と呼ばれることもなくなったカネヒキリ陣営は、
3歳でのJCD制覇にむけて挑戦していくことになった。
カネヒキリ第11戦 第6回ジャパンカップダート(GI)
2005年11月26日 東京11R ダート・左2100m 良馬場
中央GI初制覇(通算11戦7勝)



馬名 所属 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 上3F
単勝 馬体重
1 5 10 カネヒキリ JRA 牡3 55 武豊 2,08.0 - 36.2 1 2.1 514(+4)
2 4 7 シーキングザダイヤ JRA 牡4 57 横山典弘 2,08.0 ハナ 36.6 11 52.1 484(-11)
3 3 6 スターキングマン JRA 牡6 57 デザーモ 2,08.0 クビ 36.1 13 82.9 462(-6)
4 3 5 タイムパラドックス JRA 牡7 57 ペリエ 2,08.2 1.1/4 36.5 3 6.3 462(-3)
5 2 3 サンライズバッカス JRA 牡3 55 佐藤哲三 2,08.2 ハナ 36.1 5 16.9 470(+6)
6 1 1 シロキタゴッドラン JRA 牡6 57 吉田豊 2,09.0 5 36.5 16 182.7 478(-8)
7 6 11 サカラート JRA 牡5 57 デットーリ 2,09.2 1.1/4 37.5 2 5.3 472(+1)
8 2 4 ユートピア JRA 牡5 57 安藤勝己 2,09.4 1.1/2 38.2 8 30.1 476(-4)
9 5 9 ハイアーゲーム JRA 牡4 57 田中勝春 2,10.4 6 37.9 10 34.5 508(+10)
10 7 14 アジュディミツオー 船橋 牡4 57 内田博幸 2,10.5 クビ 39.0 4 11.2 538(+6)
11 1 2 ラヴァマン セ4 57 ナカタニ 2,10.8 1.3/4 38.9 6 17.6 502(0)
12 7 13 ジンクライシス JRA 牡4 57 柴田善臣 2,11.7 5 39.5 14 87.9 490(+6)
13 4 8 タップディ 牡4 57 コア 2,11.8 クビ 39.4 9 31.6 564(0)
14 6 12 パーソナルラッシュ JRA 牡4 57 藤田伸二 2,12.2 2.1/2 40.3 7 18.2 486(+4)
15 8 16 ヒシアトラス JRA 牡5 57 蛯名正義 2,12.3 1/2 39.9 12 75.7 548(+8)
16 8 15 エキセントリック セ4 57 ホランド 2,14.0 大差 41.8 15 123.6 484(0)
我が国初のダート国際招待競走であり、国内ダート王決定戦であるジャパンカップダートは、
3歳ダート王カネヒキリVS古馬との対戦で、例年にない盛り上がりをみせた。
海外からの挑戦馬がいまひとつのレベルであったのが残念であったが、
国内のJRAの有力古馬はオールスターキャストという感じで、すばらしいメンバーが揃った。
昨年のJCD覇者にして、今年は川崎記念、帝王賞、JBCクラシックを制した、
GI4勝のダート王者タイムパラドックス。
今年の川崎記念とフェブラリーステークス、さらに南部杯とGI2着が3度あるシーキングザダイヤ。
一昨年の東京大賞典覇者スターキングマン。南部杯連覇をはじめダートGI4勝のユートピア。
東海S、ブリーダーズGC、日本TV盃と今年GIIを3連勝して波に乗っているサカラート。
去年のダービーグランプリを制したパーソナルラッシュ。
これに武蔵野ステークス組が加わるわけで、ホント錚々たるメンバーである。
残念なのは、地方の有力馬参戦がアジュディミツオー1頭だったことと、
海外の超強力馬の参戦がなかったこと。
しかしこれだけのメンバーが揃うと、さすがのカネヒキリとて簡単に勝たせてはもらえないだろう。
おまけに鞍上の武豊は、タイムパラドックスもお手馬であったため、
どちらの馬に騎乗するのかが注目されていた。
武豊は結局カネヒキリを選択。カネヒキリとのコンビで2年連続JCD制覇を狙うこととなった。
前走武蔵野ステークスで連勝記録がストップしたとはいえ、さらに評価をあげたカネヒキリは、
JCDでも圧倒的一番人気となった。単勝2.1倍。
レースは、今回はダートスタートだけあって問題なくいいスタートを切ったカネヒキリが中団につけ、
そのままの位置をキープして最後の直線へ。
大外を回ったカネヒキリが猛烈な追い上げを開始してタイムパラドックスを抜き去ると、
シーキングザダイヤ、スターキングマンの3頭が横一線に並ぶ史上稀に見る大激戦。
最後はクビの上げ下げでわずかにシーキングザダイヤをかわして、カネヒキリが3歳にしてJCD制覇。
クロフネ以来の快挙を成し遂げるとともに、フジキセキ産駒初の中央GI制覇となった。
カネヒキリはこれでGI3勝目。名実共に新ダート王の誕生の瞬間であった。
カネヒキリ第12戦 第23回フェブラリーステークス(GI)
2006年2月19日 東京11R ダート・左1600m 良馬場
中央GI連覇・GI通算4勝目(通算12戦8勝)



馬名 所属 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 上3F
単勝 馬体重
1 7 14 カネヒキリ JRA 牡4 57 武豊 1,34.9 - 35.7 1 2.7 516(+2)
2 5 9 シーキングザダイヤ JRA 牡5 57 ペリエ 1,35.4 3 36.7 2 5.2 490(+8)
3 2 3 ユートピア JRA 牡6 57 安藤勝己 1,35.4 アタマ 36.7 11 37.4 482(+5)
4 6 11 ブルーコンコルド JRA 牡6 57 幸英明 1,35.6 1.1/4 36.7 4 10.7 518(-8)
5 4 8 ヴァーミリアン JRA 牡4 57 ルメール 1,35.8 1.1/4 36.8 3 6.3 524(-4)
6 3 6 サカラート JRA 牡6 57 小牧太 1,36.0 1.1/4 36.8 14 74.6 476(+4)
7 4 7 アジュディミツオー 船橋 牡5 57 内田博幸 1,36.0 クビ 36.5 5 13.0 532(0)
8 8 15 タガノゲルニカ JRA 牡4 57 池添謙一 1,36.4 2.1/2 37.2 8 19.8 472(+4)
9 7 13 タイムパラドックス JRA 牡8 57 安藤光彰 1,36.4 クビ 36.9 12 58.4 460(-2)
10 1 2 タイキエニグマ JRA 牡5 57 田中勝春 1,36.5 クビ 36.8 10 34.9 514(0)
11 1 1 リミットレスビッド JRA 牡7 57 バルジュ 1,36.5 ハナ 37.1 7 13.1 498(-6)
12 8 16 サンライズバッカス JRA 牡4 57 柴田善臣 1,36.6 1/2 37.1 6 13.0 464(-6)
13 3 5 スターキングマン JRA 牡7 57 柴山雄一 1,36.6 ハナ 36.8 13 68.1 466(-1)
14 2 4 ニホンピロサート JRA 牡8 57 中舘英二 1,37.9 8 38.9 16 254.3 520(-4)
15 5 10 メイショウボーラー JRA 牡5 57 福永祐一 1,38.8 5 41.4 9 23.0 496(-4)
16 6 12 トウショウギア JRA 牡6 57 藤田伸二 1,39.6 5 42.1 15 92.5 520(-8)
フェブラリーステークスは、JRA初のダートGI競争である。
JRAには、JCDとこのフェブラリーステークスの2つしかダートのGIがないため、
両競争とも毎年いいメンバーが出走してくるのだが、
JCDは中距離レースということもあって、短距離馬は出走しにくい面がある。
一方フェブラリーはマイル戦なため、短距離馬も中距離馬も出走しやすい。
今年もJCD出走組に加え短距離馬に冬の上がり馬と実力馬が顔を揃え、JCD以上のメンバーとなった。
JCD組では、唯一の地方馬である船橋のアジュディミツオーが、
カネヒキリが出走しなかった東京大賞典(統一GI)を連覇すると、川崎記念(統一GI)までも連勝。
その勢いでGI3連勝をかけて出走してきた。
JCDでカネヒキリにハナ差敗れたシーキングザダイヤは、東京大賞典と川崎記念でも、
アジュディミツオーの後塵を拝し、GI2着6回のシルバーコレクターとなってしまっていた。
なんとか悲願のGI制覇にむけて、フェブラリーに標準を合わせてくるのは確実で、
カネヒキリにとっても負けられない相手であった。
短距離馬では、まずはここのところ調子を落としてはいるものの、昨年の覇者メイショウボーラー。
そして昨年のJBCスプリント(統一GI)を制したブルーコンコルドが参戦。
さらにステップレース組からは、
ダート転向後ガーネットS、根岸Sと重賞連勝で挑戦してきた、リミットレスビッド。
ダート3連勝で根岸Sに挑み、2着に入り出走権をギリギリ得たタイキエニグマ。
ラジオたんば杯2歳Sを制するなど芝のクラシック路線を歩みながら、ディープインパクトには敵わず、
ダート転向後浦和記念を勝つなど2連勝ののち、平安Sで2着に入ったヴァーミリアン。
そして、ダート転向後5連勝で平安Sを制した、タガノゲルニカ。
と、どの馬も勢いがあり勝ってもおかしくない状況。史上最強メンバーが揃った。
そして上記のメンバーを迎え撃つ我らがカネヒキリは、JCD後は3ヶ月休養。
このフェブラリーステークスは休み明けの出走であった。
もともと角居厩舎は休み明けの調教をあまりやらないという、角居流の調教方法で知られている。
今回のカネヒキリも明らかに調教量は不足していた。
そのため休み明けで勝った馬がそういない角居流の調整に、カネヒキリにも不安がよぎった。
そのうえカネヒキリはこのあとドバイワールドカップ出走が決まっていた。
ドバイ制覇を最大の目標にしていた陣営にとって、フェブラリーですらステップレースであった。
そのためフェブラリーに100%の仕上げで来ないことに、隙があると思われた。
加えて1600mという距離が、カネヒキリには短いのではないかということ。
東京の1600mは芝スタートであり、かつてカネヒキリは2度東京1600に出走して、2度とも出遅れた。
そのうち一つは、唯一のダート敗戦を喫した武蔵野Sであり、
今回も芝スタートで出遅れるのではないかと思われた。
勝ったJCDも、斤量差が2kgあったことを指摘され、抜きん出た存在ではないと思われていた。
これらの要素が重なり、カネヒキリは1番人気にはなったものの、単勝2.7倍に落ち着いた。
しかし、いざレースが始ると、カネヒキリの強さだけが目立ったレースであった。
メイショウボーラーとトウショウギアの2頭が無謀ともいえる超ハイペースで逃げながら、
スタートが決まったカネヒキリはあせらずに中団につけると、直線で外に持ち出してからは、
上がり3F35秒7の末足で一気に先頭へ出ると、あっという間に3馬身の差をつける圧勝劇。
あれだけの不安説は一体なんだったのか、と思わせるほど力が違っていた。
これでJCDに続いてフェブラリーも制したカネヒキリは、JRAのダートGI完全制覇達成。
明け4歳にして早くもGI4勝目となったカネヒキリは、日本一のダート王の称号を背負って、
夢のドバイ制覇に向けて飛び立っていった。


カネヒキリ・レースプレイバック・その3
カネヒキリ第13戦 第11回ドバイワールドカップ(GI)
2006年3月25日 ドバイ・ナドアルシバ7R ダート・左2000m 良馬場
海外初挑戦



馬名 所属 性齢 斤量 騎手 タイム 着差
単勝
1 1 4 エレクトロキューショニスト UAE 牡5 57 デットーリ 2,01.32 - 1 1.25
2 9 11 ウィルコ 米国 牡4 57 ゴメス 4.1/2 8 33.0
3 8 6 マグナグラジュエート 米国 牡4 57 ヴェラスケス 2.3/4 5 12.0
4 3 5 カネヒキリ 日本 牡4 57 武豊 2.3/4 2 3.5
5 5 2 チキティン サウジ 牡5 57 キネーン 1.1/2 10 50.0
6 6 7 マラーヘル 英国 牡5 57 ヒルズ 3.1/2 4 9.0
7 10 9 スターキングマン 日本 牡7 57 ペリエ 1/4 9 40.0
8 11 10 スーパーフロリック 米国 牡6 57 ナカタニ 1.3/4 6 16.0
9 4 3 チョクトーネーション 米国 セ6 57 エスピノーザ 1/4 6 16.0
10 2 8 シャキス UAE 牡6 57 サプル 4.3/4 11 66.0
7 1 ブラスハット 米国 セ5 57 マルティネス 3 5.5
世界最高賞金額レースである、ドバイワールドカップ。
かつて何頭もの日本の有力馬が挑みながら、長時間の輸送、日本と違うダートの馬場、
そして世界の一流のダート馬との実力の違いによって、ことごとく敗れ続けてきた。
そんな世界最高レースに、JCD、フェブラリーS、を制して日本最強ダート馬となったカネヒキリが、
世界一のダート馬になるべく、初の海外挑戦をすることになった。
今年のドバイワールドカップは、例年よりアメリカからの超一流馬の参戦がなく、
日本馬にとってチャンスであると言われていた。
ところが、昨年英インターナショナルSで、ゼンノロブロイに勝ったエレクトロキューショニストが、
UAEに移籍して参戦することとなり、カネヒキリにとって大きなライバルが現れてしまった。
加えてカネヒキリは、ダートでは無類の強さを発揮しているが、芝では全然ダメな馬。
日本のダートと違い、ドバイのダートは芝適正もある馬でないと、勝つことは厳しい。
カネヒキリにとって、決して有利な条件が整っていたわけではなかった。
結果から言えば、カネヒキリは今回のドバイワールドカップにおいては、惨敗であったと言っていい。
2001年のトゥザヴィクトリーの2着以来となる、日本馬による掲示板入りは確かに健闘したのだが、
優勝したエレクトロキューショニストとは10馬身も離されての入線は、
世界との実力の差を改めて思い知らされたわけで、残念でならない。
スタートもよく、3番手の好位でレースを進め、内枠の利を生かし距離ロスもなく、
なんら不利を受けることない絶好の展開であったのに、
直線になってからまったく伸びなかったことは、馬場への適正の問題だったのか、
それとも海外への長時間輸送もあって、日本のような万全の仕上げには出来なかったのか、
そもそも世界の一流馬とは実力が違いすぎたのか、など何が原因なのかわからないが、
まだまだドバイワールドカップを勝つほどの強さがなかったということなのだろう。
しかし、レース後ユタカがカネヒキリは今後さらに強くなる、と言っていることを信じ、
カネヒキリのさらなるパワーアップに期待したい。
(補足)
後日、2着に入線したブラスハットが、レース後の検査で2種類の禁止薬物が検出されたため、
失格となったことが明らかになった。
これにより、カネヒキリは4着、スターキングマンも7着に繰り上がりとなった。
このような形での4着繰り上がりは、素直に喜べない。
レース終了から1ヶ月以上も経ってからの発表というのも、どうかと思う。


カネヒキリ・レースプレイバック・その4
カネヒキリ第14戦 第29回帝王賞(統一GI)
2005年6月28日 大井11R ダート・右2000m 良馬場
国内GI連勝記録が途絶える



馬名 所属 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 上3F
単勝 馬体重
1 2 2 アジュディミツオー 船橋 牡5 57 内田博幸 2.02.1 - 37.0 2 2.2 514(-16)
2 5 6 カネヒキリ JRA 牡4 57 武豊 2.02.3 1 36.9 1 1.6 524
3 3 3 サイレントディール JRA 牡6 57 岩田康誠 2.03.4 6 37.7 5 23.1 521(-1)
4 5 7 タイムパラドックス JRA 牡8 57 安藤勝巳 2.04.1 3 37.8 4 17.7 452(-10)
5 8 12 ボンネビルレコード 大井 牡4 57 的場文男 2.04.1 クビ 37.1 7 54.1 468(+1)
6 1 1 コアレスタイム 船橋 牡8 57 石崎駿 2.04.3 1 38.2 9 283.5 440(-2)
7 4 4 クールアイバー 大井 牡8 57 森下博 2.04.6 1.1/2 38.5 11 377.7 459(+1)
8 6 8 エイシンチャンプ 大井 牡6 57 戸崎圭太 2.04.8 1 38.7 6 28.8 500(-5)
9 4 5 ヤマノブリザード 佐賀 牡7 57 北村欣也 2.05.1 1.1/2 38.6 8 135.3 516(-12)
10 8 13 マイネルボウノット JRA 牡5 57 後藤浩輝 2.05.4 1.1/2 39.8 3 14.7 531(+9)
11 7 11 ケージーチカラ 大井 牡6 57 早田秀治 2.07.1 8 41.1 12 421.4 496(-2)
12 6 9 ティーケーツヨシ 川崎 牡6 57 酒井忍 2.07.4 1.1/2 40.6 10 301.8 450(+1)
13 7 10 エルマタドール 笠松 牡8 57 島崎和也 2.10.1 大差 41.9 13 475.6 427(+1)
春のダート最強馬決定戦、帝王賞。
今年は戦前からカネヒキリとアジュディミツオーの一騎打ちと観られていた。
片やドバイワールドカップからの帰国初戦となるカネヒキリ。
東京大賞典連覇を皮切りに、川崎記念、かしわ記念と統一GI4勝を成し遂げた、アジュディミツオー。
JRAのダート王者カネヒキリと、地方のダート王者アジュディミツオーの激突は過去3度あったが、
その全てでカネヒキリが先着していた。しかし舞台は3度とも東京競馬場。
今回は地方の大井競馬場ということもあって、ほぼ地元のアジュディミツオーに有利かと思われた。
加えてカネヒキリは、ドバイからの帰国初戦。疲れが残っていることも懸念された。
当然馬券も2頭に集中したが、最終的にはカネヒキリが1番人気となった。
レースは予想通りアジュディミツオーが逃げる展開。
カネヒキリもここ最近のレースのような中段に控えはせず、先団についていった。
向こう正面ではカネヒキリが徐々に押し上げ、2番手につけると、あとは2頭の一騎打ち。
しかしアジュディミツオーはハイペースの逃げにもかかわらず、
さらに最後の直線でカネヒキリを突き放そうとする強さ。
カネヒキリはそれでもしぶとく追い上げたものの、1馬身差に詰め寄るのがやっと。
アジュディミツオーが統一GI5勝目を果たした。
今回のレース、カネヒキリは完敗であった。
コースレコードをたたきだしたアジュディミツオーの逃げを、結局最後までかわすことが出来なかった。
後でわかったことだが、カネヒキリは今回のレース万全の調子ではなかったようだ。
ドバイ遠征の疲れがまだ残っており、カネヒキリ本来の強さを発揮することができなかった。
レース後武豊も「手前を替えなかった」と話しており、もし本来のレースが出来ていれば、
アジュディミツオーをかわしていたかもしれない。
むしろ、万全の出来でなかったにもかかわらず、ここまでのレースが出来たことのほうがすごい。
上がり3Fは0.1差ではあるが、アジュディミツオーよりも速く、メンバー中最速であったし、
カネヒキリ自身も3着のサイレントディールに6馬身の差をつけているように、
アジュディミツオー以外はまるで敵でなかった。
秋には万全の体調でGI戦線に復帰し、目が覚めるような勝ちっぷりを見せて欲しいものである。


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