福島空港・あぶくま南道路
あぶくま高原道路矢吹料金所
路線名 | 主要地方道42号矢吹小野線 |
有料道路区間 | 矢吹町〜玉川村 |
総延長 | 有料区間6.6km |
供用開始日 | 2001年3月27日 |
事業費 | 31.6億円 |
料金 | 普通車 300円 中型車 350円 大型車 500円 特大車 850円 軽自動車等 250円 |
【歴史】 |
あぶくま高原道路は、福島県の県南地域にある西白河郡矢吹町から、 阿武隈地域のほぼ中央にある田村郡小野町に至る、延長約36kmの自動車専用道路です。 この道路は、「東北自動車道 矢吹IC」と「福島空港」及び「磐越自動車道 小野IC」とを結ぶ 交通ネットワークを形づくることにより、県内の中通り地方と浜通り地方とを結ぶ交通網の強化 による地域間の連携交流の促進、 開発ポテンシャルの高い阿武隈地域の発展の支援、 県南地域や浜通り地方はもとより栃木県をはじめとする北関東地方からの福島空港のアクセス向上、 災害時の代替路線確保や救急医療体制の支援による住民福祉の増進への寄与など、 極めて大きな意義を有する道路です。 このため、東北自動車道矢吹ICから磐越自動車道小野ICに至る全体計画のうち、 平成6年度、早急に整備の必要がある矢吹中央IC〜玉川IC間及び小野町の一部から事業に着手しました。 平成6年12月には全体計画が地域高規格道路の計画路線(連結)の指定を受けています。 さらに、平成8年8月までに、矢吹IC〜福島空港IC間及び平田IC〜小野IC間が、 平成15年9月26日に福島空港IC〜平田IC間が整備区間の指定を受け、 平成13年3月27日に矢吹IC〜玉川IC間、平成14年9月18日に玉川IC〜福島空港IC間、 平成16年11月25日に平田IC〜小野IC間の供用を開始しました。 この道路の正式な名称は地域高規格道路「福島空港・あぶくま南道路」です。 今までは三角形の高速道路網の一辺であることから 通称「トライアングルハイウェイ」と呼ばれてきましたが、 利用される皆様にとって、わかり易く簡潔で、 末永く親しんでいただける「愛称」を募集した結果、「あぶくま高原道路」と称することになりました。 |
【現在の状況や問題点など】 |
あぶくま高原道路は、東北道矢吹I.Cと磐越道小野I.Cとを結ぶ、地域高規格道路である。 地域高規格道路というが、実際に走行した人にとっては、 たとえ対面通行だろうが最高速度が低かろうが、高速道路である。 矢吹町から小野町へと高速で行こうとした場合、郡山JCT経由と非常に遠回りになってしまうが、 この道路ができれば大きな時間短縮に加え、料金の面でも非常に安くなり、 地元住民にとって便利になるというのはわかる。 しかしこのあぶくま高原道路、実際には非常に苦戦を強いられている。 あぶくま高原道路を走行した人ならわかると思うが、なんでこんな道路を作ったのかと思ってしまう。 それほどこの道路は、交通量が少ない。 なにしろ公社の予想交通量の、わずか15%ほどしか利用されていないのだから。 これでは利子すら満足に支払えないであろう。 まだ全線が開通しておらず盲腸線の状態であるから、この道路の本来の役割を果たせないわけで、 交通量が少ないというのはわかるのだが、それにしても交通量が少なすぎる。 その最大の理由が、矢吹中央〜玉川間のみ有料道路となっていることであろう。 そもそもあぶくま高原道路が通るところは、矢吹町はともかくとして、玉川村、平田村と人口が多くない山間部。 もともと交通量の分母が小さいわけで、渋滞が発生しているということはもちろんない。 あぶくま高原道路のような立派な道路ができることは、それでも付近の住民にとっては便利になるが、 平行して県道42号や県道106号線が走っている状況では、たとえ有料区間が一区間であっても、 300円という通行料金は高く感じられ、無料で走行できる一般道を使ってしまうのは当然といえる。 公社の需要予測が甘すぎた、としか言いようがないだろう。 現在も福島空港〜平田間の建設に向けて準備が進められているが、 全線開通にはまだかなりの時間がかかると思われ、こんな状態がしばらくは続くと思われる。 いや、現在でもこれほど交通量が少ないとなると、たとえ全線開通したとしても、 予測した交通量にはとても達しないであろう。 福島県道路公社は、あぶくま高原道路をもっと使ってもらうために、 通行料金を下げるなどの対策が必要であろう。期待したい。 |
今回は東北道矢吹I.Cから、小野町を目指して走行してみた。
東北道矢吹I.Cで降り、料金所を抜け白河方面に車を向けると、そのままあぶくま高原道路[1]矢吹I.Cに接続している。
東北道矢吹I.C料金所を抜けた後の分岐
[1]矢吹I.C
矢吹I.Cの次は、[2]矢吹中央I.C。この区間は無料で走行することできる。
矢吹I.Cから乗った直後は片側2車線になるが、まもなく片側1車線の対面通行となって進んでいく。
しかし矢吹中央I.C手前で再び片側2車線に。
矢吹I.C〜矢吹中央I.C間
矢吹中央I.C前で片側2車線に
[2]矢吹中央I.C
[2]矢吹中央I.Cと次の[3]玉川I.Cの一区間だけ、有料道路区間となっている。
ただこの区間も対面通行であり、特にこの区間が優遇されているわけではない。
またこの区間の真ん中あたりに料金所が設置されている。
矢吹中央I.C〜料金所間
料金所手前
料金所直後
料金所を過ぎてしばらく進むと、1260mの長さを誇るうつくしま大橋にさしかかる。
この大橋で阿武隈川を越えると、[3]玉川I.Cとなる。ここで有料区間は終点となるが、道路はさらに続いている。
1260mのうつくしま大橋
[3]玉川I.C
[3]玉川I.Cから先は再び無料区間となるが、現在は次の[4]福島空港I.Cまでしか開通していない。
しかし道路は片側2車線道路となって、矢吹〜福島空港間で唯一の川辺トンネルを抜ける。
トンネルを抜けるともうそこは、福島空港I.Cである。
川辺トンネル
[4]福島空港I.C
2004年11月に、磐越道小野I.Cから平田I.Cまでの区間が新規開通したので、そちらもレポートしておく。
[7]平田I.Cは、国道49号線に接続しているため、福島空港I.Cからひたすら県道42号線を走行して、
国道49号線から平田I.Cに乗り入れた。
平田I.C〜小野I.C間は8km以上あり、現在供用中の中では一番長い区間となっている。
途中上蓬田トンネルと雁股田トンネルという2つのトンネルがある。
現在この区間は最高速度60kmとなっていて、そのためかセンターポールが立っていない。
[7]平田I.C
上り車線の[7]平田I.C出口
上蓬田トンネル
雁股田トンネル
[8]小野I.C
終点[8]小野I.Cを降りると、こまちトンネルをくぐって磐越自動車道小野I.Cに接続して、あぶくま高原道路は終わる。
こまちトンネル
左は国道349号線へ、右は磐越道小野I.C。
国道を跨ぐと、磐越道小野I.C料金所
【感想】 |
本当にこの道路は悲しいほど車が少ない。 今回の取材でも撮影しやすいように、 制限速度以下でゆっくり走行していたのだが、 それでも背後に車が接近してくることはほとんどなかった。 道路自体は非常に走行しやすいのに、 活用されていないのがもったいないと感じてしまった。 |
2005年5月24日公開