五輪大橋有料道路
路線名 | 県道372号三才大豆島中御所線線 |
有料道路区間 | 長野市 |
総延長 | 1.35km |
供用開始日 | 1996年12月26日 |
事業費 | 117億円 |
料金 | 普通車 150円 中型車 150円 大型車 250円 特大車 400円 軽自動車 100円 軽車両等 20円 |
【歴史】 |
長野市は千曲川と犀川の二つの川により、東西あるいは南北に分断されており、 中心市街地への道路の混雑が著しく、特に渡河部に交通が集中するため通交上のネックになっていました。 このため、道路交通の分散を目的とした新たな環状道路の整備が必要となっていました。 そこに1991年、98年の長野オリンピック開催が決定したため、 オリンピックの主会場である長野市のエムウェーブと、白馬村を結ぶルートの整備が求められました。 そこでオリンピック関連道路として環状道路を整備すれば、 長野市内の道路網整備を何十年も先取りできると考え、 国道19号と18号バイパスを結ぶ「南外環状線」(現・国道19号長野南バイパス)と、 18号バイパスからエムウェーブを越えて須坂インター線に至る「東外環状線」の建設に着手しました。 その際、南外環状線は国が整備してくれることになりましたが、東外環状線は県が整備することになり、 同時に白馬ルートや志賀ルートも整備を求められていた県は、 「東外環状線」に新たに建設される五輪大橋を、有料道路事業として事業費を償還することに決めました。 1994年2月に始まった工事は、2年半以上の歳月と117億円の事業費をかけて1996年12月に完成し、 オリンピックの成功に貢献するとともに、市街地の渋滞緩和に役立つこととなりました。 |
【現在の状況や問題点など】 |
当初この道路の存在を知った私は、どう考えても交通量が伸びないだろうと思った。 犀川・千曲川にかかる橋でも、国道18号線の長野大橋を筆頭に、国道117号丹波島橋、 県道長野菅平線の落合橋などいくつかある。 特に篠ノ井方面から市街地を目指す場合、上記の2つの国道を越えていくルートがあるため、 余程国道が混んでいる時くらいしか、わざわざ通行料を払ってまで五輪大橋を通る車はいない。 長野市街地を越えて須坂を目指す場合でも、千曲川をはさんだ国道403号線を使うルートがあるため、 同じように五輪大橋を使うメリットは少ないので、 アップルラインに抜ける車くらいしか使わないのでは、と思っていた。 実際に走行してみると、そのアップルラインに抜けると思われていた環状道路が、 エムウェーブの先で整備がされてなく、狭い県道でしか結ばれていなかった。 これでは大型車などはかなり通行しにくいので、国道18号の抜け道として利用することもできない。 果たしてこれで満足な交通量が得られるのだろうか、と思った。 しかし、その後の調査で、この五輪大橋は1日3000台ほどの交通量があることがわかった。 これは正直言って多いと感じた。やっぱり腐っても長野市街地にかかる橋、 もともとの分母が大きいから、一握りの利用客でも3000台に達するんだろう。 また普通車の通行料が150円という低い設定も、功を奏したのだろう。 料金が安ければ、地元住民でも利用する車は確実に増えるからだ。 もっとも長野県道路公社は、この1日3000台の交通量でも、当初の予想に達していないのだろう。 昨年から今年にかけて、全車種通行料100円の試験を実施している。 この効果はさっそく現れ、1日4000台にまで交通量が増加している。 本当の事を言えば、これでもかなり少なく、長野市の交通量から考えると、 1日6000台以上は通って欲しいのだろう。 しかし、現在の状況では、これが精一杯なのではなかろうか。 それは環状道路がまだ一部でしか供用されていないからだ。 長野市の環状道路が全て完成すれば、この道路の利用価値もかなりあがるであろうし、 そうなれば交通量も飛躍的に上がるだろう。 全車種100円の期間が終了した後も100円を継続し、夜間は無料にする英断を公社は下したが、 今はまさに我慢の時といえるかもしれない。 |
今回初めてこの道路を走行するのだが、今回は真島町側から走行してみた。
国道19号長野南バイパスは国道18号に接して終わるが、そこから先も環状線は続いていて、
片側1車線で通りの側に建物もあまりなく、いかにもバイパスという感じである。
県道380号との交差点を過ぎると、まもなく五輪大橋にかかり料金所が見えてくる。
料金所は機械式になっていて、最初はちょっと戸惑ってしまった。
料金所の横には公社の建物に併設してトイレも設置されているが、
かなりわかりにくく、一見するとトイレとは見えない。
五輪大橋への上がりっぱな。遠くに料金所が見える。
併設のトイレ
料金所から真島町方向を望む
料金所を過ぎると、すぐ五輪大橋にさしかかる。
橋も片側1車線であるが、それでももったいないほど、走っている車はほとんどいなかった。
五輪大橋上の景色
五輪大橋の渡河部分は700mほどであるが、そのあとも高架橋が続き右に曲がっていく。
その高架橋が県道34号との交差点にさしかかるところで、高架橋とともに有料道路区間が終わる。
あっという間の有料区間であった。
【感想】 |
片側1車線だが非常にいい道であり、わざわざ料金を払うのがバカバカしくて、 国道を通ってしまっている現状がもったいないほどの道である。 この閑散ぶりを見ると、国道を始めとする道路がすべて混んでいても、 五輪大橋だけは空いている、という噂も本当かもしれないと思った。 しかし、走行したのが日曜であったとはいえ、この車の少なさはちょっとマズイんでは。 本当に1日3000台も交通量があるのか不安になるほど。 どうみても環状線の役割は果たしきっていない感じであった。 |