白馬長野有料道路


白馬長野有料道路料金所

路線名 主要地方道31号長野大町線
有料道路区間 長野市〜上水内郡中条村
総延長 1972m
供用開始日 1995年2月
事業費 45億円
料金 普通車  200円
中型車  200円
大型車  300円
特大車  550円
軽自動車 150円
軽車両等  20円
【歴史】
主要地方道長野大町線は、
県都長野市と大町・白馬村などの大北地域を結ぶ幹線道路として機能してきました。
ところが1991年、98年の冬季オリンピックの開催地が長野に決定すると、
主会場となる長野市と白馬村とを結ぶ長野大町線の整備が求められました。
そこで同年、中条町の中心部を通らずにダイレクトに国道19号線に接続するバイパスの建設に着手し、
同時に日高トンネルを含む延べ2km区間は有料道路事業を導入することとし、
1991年11月に着工、3年余りの歳月と45億円の費用を投入し、平成7年2月完成いたしました。
この道路の完成によって、中条村の中心部を通らずに長野市と白馬村との行き来が可能になり、
長野オリンピックの成功に大いに貢献することとなりました。
オリンピック終了後も、両区間の時間短縮が図られたことによって、
地域住民に大いに利用されております。
【現在の状況や問題点など】
オリンピック道路と呼ばれている長野大町線は現在、非常に快適に走行できる道路であり、
長野〜白馬・大町間を約1時間で結ぶメインルートである。
オリンピックに伴う整備も、出きるだけ既存の道路を生かした設計になっていて、
中条村や小川村の中心部など道が狭く住宅が密集している地区のみ、バイパスを建設し、
それ以外の部分は既存の道路を拡張するなどして、事業費を出きるだけかけないようにしている。
こうした設計は大きく評価でき、全国で推し進めていきたい道路建設事業のありかたといえる。
実際長野と白馬間が約1時間で結ばれた効果は、計り知れないだろう。
一部には、辺境地区には似つかわしくない立派な道路が作られた、と揶揄する人もいるだろうが、
こういう道路こそ、地域住民に大きな貢献をするものだ、と断言したい。
さて、そのオリンピック道路の一部としてつくられた白馬長野有料道路は、
1日約3500〜4000台ほどの交通量があり、私的にはまあまあ健闘していると思っている。
それでも長野県道路公社の当初の予想交通量には届いておらず、
夜間の通行料を無料にしたり、100円に値下げしたりと試行錯誤が続いている。
その理由は、有料道路の通行料を払いたくない車が、旧道に流れているためにほかならず、
それが中条村中心部の交通量の増加と、騒音の増大につながってしまっている。
この道路の通行料は、普通車で200円。
この道路を通行するメリットを考えると、私などは決して高いとは思わないが、
地域住民にとっては生活道路にほかならず、毎度毎度この料金を払っていられない、
と思って旧道に流れてしまうのも、無理はないのかもしれない。
この長野大町線のバイパスと旧道を合わせた1日の交通量は、1万台にも達していて驚いたが、
有料道路開通後も旧道を通行する車が1日6000台もあるにはもっと驚いた。
有料道路を通行するより、旧道を通行するのが10〜15分ほど長くかかってしまうのにである。
もちろん、中条村の中心部に用がある車や、中城村民は旧道を通行するだろうが、
それでも2000台くらいは確実に通過交通が含まれているだろう。
つまり通過交通の車がすべてバイパスに流れてくれれば、
公社の試算した予想交通量も決して無理なことではない。
そこで公社は、夜間のみ通行料を100円にする試験を実施して、交通量の変化を探っていたが、
今年の3月で試験期間が終了した後は夜間を無料にすることを発表した。
これは英断であると思う。
この深夜無料化によって、中条村の深夜の騒音がかなり軽減されるとともに、
今まで旧道に流れていた車もバイパスを通るようになるだろう。
公社の収入が減ってしまうのは仕方ないが、深夜無料化で人件費の削減などもできるわけであり、
決して公社の損になるとは限らないだろう。
望むのは、この深夜無料化を事業費償還の日まで続けてほしいことである。

今回は、白馬方面から長野市を目指して走行してみた。
中条村の中心部を迂回するバイパス部分に入って、道の駅中条を過ぎると、旧道へのアクセス道路との交差点があり、
ここから有料道路区間に入る。
つまり有料道路を通りたくない車にとっては、この交差点が最後の分岐となる。


白馬長野有料道路中条側起点の交差点

有料道路に入ると、もう目の前に日高トンネルが見えている。
日高トンネルは、1137m。この有料道路の3分の2弱を占めるので、日高トンネル有料道路でもおかしくない。
内部は歩道もあるため、非常に走行しやすい。
比較的距離が短いため、あっというまに抜けてしまう。


日高トンネル中条側

日高トンネル中条側から

日高トンネル内部

トンネルを抜けると、橋を跨いで料金所に到着する。
料金所の横には、公社の建物に併設してトイレも設置されている。


料金所から日高トンネル長野側を望む

トイレと駐車スペース

料金所から長野方面を望む

料金所を過ぎると、もう国道19号は目の前。
長野方面と松本方面への分岐の青看板があり、有料道路区間は終了する。

【感想】
有料道路区間はたった2kmなので、あっという間に走行してしまった。
この短さが、より割高感を生んでいるのかもしれない。
いっそのこと、中条村のバイパス区間すべてを有料道路区間にしてしまえば、
割高感がなくなって交通量が増えたのではないか、などと考えてしまう。
しかし道路はそれまでのオリンピック道路同様、とても走行しやすいため、
この道路をもっと活用してもらえるよう、公社はより努力をしていくべきであろう。

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