清里高原有料道路
2005年6月7日より無料解放
清里高原有料道路料金所
路線名 | 主要地方道28号須玉八ヶ岳公園線 |
有料道路区間 | 北杜市 |
総延長 | 3.1km |
供用開始日 | 1998年6月22日 |
事業費 | 54億円 |
料金 | 普通車 250円 中型車 250円 大型車 400円 特大車 710円 軽自動車等 200円 軽車両等 30円 |
【歴史】 |
山梨の屈指の観光地・清里へのアクセス道路である国道141号線は、 シーズンには数キロにわたる渋滞が発生しておりました。 そこで交通渋滞の解消を図るため、東京方面から清里へアクセスする第2の道路として、 清里と中央道の長坂I.Cを最短距離で連絡する道路を建設し、 清里高原有料道路として事業費を償還することとなりました。 54億円をかけたこの道路は、1998年に供用を開始し、 地域住民の利便性向上に寄与することとなりました。 |
【現在の状況や問題点など】 |
清里高原有料道路の経営赤字は、深刻なものがある。 1日の平均利用台数は1000台ちょっと。 これは予想利用台数の3割程度にしかならず、このまま利用台数が低迷を続けると、 償還期間中に赤字額が事業費を上回ってしまうほど膨れ上がってしまうそうだ。 そのため早いうちに山梨県が買いとって、無料解放したほうがいいとの案もでている。 なぜ、清里高原有料道路はこれほどの低迷を続けているのか。 それはこの付近の地図を見れば一目瞭然である。 東京方面から中央道で清里を目指した場合、あなたならどこで降りるだろうか。 まず普通のドライバーなら、長坂I.Cまで乗らずに須玉I.Cで降りるだろう。 なぜなら須玉I.Cは国道141号線に接続しているため、 そのまま国道を北上すれば清里に着いてしまうので、 長坂I.Cまで高速に乗ったのとたいして距離がかわらないのである。 少しでも高速料金を抑えたいと思うのが普通であり、 たとえ新しい道路が出来たとしても、そもそもその道路を利用するための長坂I.Cにすら、 行ってもらえないもである。 いや、たとえ長坂I.Cで降りてくれたとしても、果たして皆が皆有料道路を利用するだろうか。 清里、と一言で言っても広いし、まわるところはたくさんある。 わざわざ有料道路を使っていきなり駅前に行かなくても、 そのまま県道を北上して、天女山付近を走行して八ヶ岳を眺めたりして、 ゆっくり見てまわったって決して遅くはないはずだ。 しかも清里高原有料道路は、普通車ですら250円も通行料金がかかる。 たった3kmほどの道路に、なんで250円も払わなくちゃいけないんだ、と誰もが感じるだろう。 これでは利用台数が低迷したっておかしくない。 公社は有料道路内の八ヶ岳高原大橋を観光スポットにしたて、 そこからの八ヶ岳や南アルプスの眺めのすばらしさを謳っている。 確かにそこからの眺望はすばらしいものがあるが、 清里駅側からだとその眺望ポイントまで料金所がないため、 その眺望を味わった後道路を引き返してしまえばタダですんでしまう。 1回この道路を走行した人なら、次からはそうするだろう。 考えられるこの道路の利用は、清里で遊んで疲れたドライバーが、 帰りは楽をするために少しぐらい金を使っても早く家に帰りたいと思った人くらい。 今後利用台数が増える見こみは、かなり少ないと言わざるを得ない。 では何が悪かったのか。それはそもそも、長坂I.Cを利用させようとしたことである。 もし本当に国道141号の渋滞を緩和させるのだったら、その国道のバイパスを作って、 須玉I.Cからの客を分散させるような設計すればよかった。 これならたとえ有料道路にしても、今以上の利用台数を見込めたに違いない。 しかし作ってしまったものは仕方ない。 通行料金を少なくても150円くらいにまで下げるようにして、 少しでも利用客を増やすことでもしないと、本当に作った意味がなくなってしまう。 山梨県道路公社の英断を期待したい。 |
今回は、清里から長坂I.Cを目指して走行してみた。
国道141号から県道28号線に入って清里トンネルをくぐると、小海線の線路に沿って道路が伸びていく。
その小海線を跨ぐと、清里高原有料道路の区間に入る。
清里側の起点付近から
ここでいきなりの下り坂になり、反対車線の登りには、しっかり登坂車線が設けられている。
道路はしっかり幅をとったゆったりした設計で、実に走行しやすい。
もう少し進んだところから、下り坂を見上げて
同じところから反対方向を
道路の左側は、丘の公園と清里ゴルフコースの森が続いていて、右側は川俣渓谷が沿って流れている。
そのまま下っていくと、やがてこの清里高原有料道路のメイン、八ヶ岳高原大橋が見えてくる。
その橋のたもとには、駐車スペースが設けられていて、八ヶ岳、南アルプスなどの眺望を楽しむことができる。
八ヶ岳高原大橋は、別名パノラマブリッジと呼ばれているが、その愛称も納得できる。
またその八ヶ岳高原大橋もなかなか見ごたえがあり、一見の価値はあるだろう。
八ヶ岳高原大橋
橋のたもとから、清里駅方向を望む
八ヶ岳高原大橋上の景色
八ヶ岳
八ヶ岳高原大橋を渡り終えると、左カーブして料金所が見えてくる。
料金所の近くには、トイレも設けられている。
料金所から終点方向を望む。右に見えるのはトイレ。
料金所を過ぎると大きく右カーブをして、やがて交差点に着いて有料道路区間は終了する。
【感想】 |
アップした画像に一台も車が映っていないが、 何もこれは車がいない時を待って撮影したのではなく、 ホントに車がほとんど走っていなかったのである。 なにか貸し切っているような感じであった。 また取材した時は、絶好の天気であったため、 八ヶ岳をはじめとする眺めが最高であった。 |