皆野寄居有料道路


皆野寄居有料道路料金所

路線名 国道140号線
有料道路区間 大里郡寄居町〜秩父郡皆野町
総延長 6.9km
供用開始日 2001年3月28日
事業費 188億円
料金 普通車  410円
中型車  510円
大型車  660円
特大車 1120円
軽自動車 300円
原動機付自転車 40円
【歴史】
秩父と寄居をつなぐルートは、ほとんど国道140号ひとつであり、
週末ともなると大きな渋滞を巻き起こしていました。
特に長瀞町付近の渋滞が激しかったことから、国道140号の渋滞緩和、ならびに時間短縮を目的として、
寄居皆野間にバイパスを建設し、有料道路にして建設費を償還することになりました。
1995年(平成7年)に始まった工事は、5年半の歳月をかけて2001年(平成13年)3月に一部を残して完成。
これによって寄居と秩父間は大きな時間短縮がなされ、
東京方面からのアクセスも格段に向上、地域に大きな貢献を果たしました。
【現在の状況や問題点など】
寄居方面から秩父を目指す場合、実際には国道140号のほかにも、川向の県道82号や、
定峯峠越えの県道11号などもあるが、秩父を観光に訪れる客は国道をメインに使い、
週末の渋滞はかなりのものであった。
寄居から皆野までも、スムーズにいけば国道でも20〜30分で着くが、
渋滞にはまると1時間以上かかることもザラであった。
平成10年には雁坂トンネルが開通したことによって、秩父を越えて山梨に行く車も増えた。
今まで以上に秩父へのルートの強化が待たれていた。
埼玉県道路公社はこれを見越して、既に寄居皆野バイパスの建設に着手しており、
雁坂トンネルから3年後に開通した。
その皆野寄居有料道路は、生態系に配慮したため、その大部分がトンネルという構造であった。
そのため建設費は188億円にまで達し、通行料金は普通車でさえ410円という、高いものになってしまった。
これでは、その通行料の高さがネックとなって、今まで通り本線の国道を通る車が減らず、
有料道路を使う車の台数が増えないのでは、という心配があった。
しかし、意外にも1日あたり4000台の交通量があり、料金の高さにしては健闘しているといえよう。
つまり、利用客も値段に見合うだけの時間短縮が、この道路を通ることによってもたらされることがわかっており、
納得してこの道路を使っているからであろう。
実際この道路は、高速の規格に近い感じで造られている。
信号はまったくなく、道中に3つのインターを設置し、そこからのみ下道との連絡を可能にしているので、
渋滞も起こりにくく大変利便性がある。
トンネルの規格はまさに高速道路並みであり、天井が高いうえに歩道も完備。
換気施設も充実していて、まさにいうことなし。
あまりにもトンネルだらけなので、眺望がきかず景色がつまらないという声も聞こえてきそうだが、
そこまで求めるのは酷といえる。
もちろん、この道路の料金が高すぎると感じる人も少なからずいると思うが、
なにも秩父を目指す車すべてがこの有料道路を使わなくてもいいわけで、
国道の渋滞緩和がなればそれでいいのだから、使いたくない人は使わなくてもいいだろう。
もっとも一回でもこの道路を走ってみれば、金がかかっていることは誰しも感じるだろうけどね。
私なんかにしてみれば、むしろトンネルだらけの構造に逆に魅力を感じてしまうが。
埼玉県道路公社はさらに、皆野秩父間にもバイパスを計画しており、
将来は寄居から雁坂トンネルまでバイパスで繋げてしまうかもしれない。
そうなったら今以上に時間の短縮が図れそうだが、そのバイパスも有料道路にするのだろうか。
そうなったら一体いくらかかるのか。新たな問題も起こりそうだ。
なお、現在皆野寄居バイパスは皆野〜寄居折原間のみの開通であり、
寄居折原〜140号までの間はまだ工事中である。
寄居折原インターから国道140号への接続は、県道が整備されていて問題ないが、
将来この区間が開通すれば、今以上に有料道路に流入する車が増えると予想される。
この道路の将来は、さらに明るいかもしれない。

今回は、皆野側から寄居を目指して走行してみた。
皆野側の起点は、国道140号本線とT字路での接続であり、
秩父から下ってきた車は有料道路の看板に気付かなかったら、真っ直ぐ行ってしまうかもしれない。
バイパスに入ると、いきなり上り坂で美の山トンネルに入っていく。


皆野側の交差点

美の山トンネル

美の山トンネルは、1614m。いきなり結構長いトンネルである。
入り口付近は特に広くなっていた。ちょっとビックリするくらい。
トンネルを抜けると、皆野長瀞I.C。有料道路区間ではあるが、この区間を使うだけならタダで済む。
インターを過ぎ、下田野トンネルをくぐって橋を越えると、皆野寄居有料道路の料金所に着く。
料金所近くには、公社の建物に併設する形で、トイレが設置されていた。
自販機が置かれているのも、なかなかいい点である。
その料金所から、このバイパスで一番長い、釜伏トンネルが顔を覗かせていた。


料金所の近くに設置されていたトイレ

バイパス内で一番長い、釜伏トンネル

釜伏トンネルは、延長2560m。埼玉県内では、雁坂トンネルに次いで2番目に長いトンネルだそうだ。
美の山トンネルと同じく、トンネル前に信号が設けられている。
トンネル内で災害が起きたときに、赤信号にするのだろう。こういう信号の設置も、好印象である。
その釜伏トンネルを抜けると、寄居風布I.C。
実は皆野寄居有料道路としての区間は、ここまで。
ここから先は、ただの国道140号皆野寄居バイパスである。ま、そんなことは利用者にはまったく関係ないことだが。


寄居風布I.C。見にくいですが。

有料区間終点。奥に風布トンネルが見える。

寄居風布I.Cを過ぎると、風布トンネルをあっさり越えて、最後の寄居トンネルとなる。
寄居トンネルは、1320m。つまりこのバイパスには、1000mを越えるトンネルが3つもあるわけである。
トンネル好きにはこたえられないのかも。


寄居トンネル

寄居トンネルを抜けると、寄居折原I.Cとなり、現在はここまでの開通。
ここから先は、現在橋を建設中であり、直接国道140号にインターチェンジで結ばれることになっている。
国道のインターチェンジはもう完成していて、あとは橋の完成を待つだけ。
その間は、寄居折原I.Cから県道が国道まで結んでいるが、これでもさほど時間のロスにはならない。


寄居折原I.Cから先に建設中の橋

【感想】
今回これが2度目の走行だったのだが、最初に走った時は日が暮れていたので、
明るいうちに走ったのではこれが初めてであった。
本当にトンネルばっかで、数少ない外を走っている箇所に、インターや料金所を設置している感じだ。
やはりトンネル用以外に信号がないのが、実に走りやすくていい。
規格も高速のそれと遜色ないし、実際に設計速度は80kmであるらしい。
今は暫定的に60kmにしてあるらしいが、80kmにしても何の問題もないだろう。
さっさと法改正でもして、80kmで走行できるようにしてほしいものである。
さて、あとは建設中の区間の開通を待つのみか。それが出来たらまた走りにくるとするか。

2004年2月17日公開

2005年5月8日、前回走行したときに建設中だった区間を、走行しにいった。
レポートは寄居折原I.Cから。秩父・長瀞方面へはインターを下りるよう青看板が出ているが、
秩父に向かう車は反対車線を走行すると思うのだが(苦笑)。


寄居折原I.C

秩父折原I.Cを過ぎると、下り坂となって荒川を越える。この時渡っている橋が、前回のレポで撮影した橋である。


下り坂となって荒川を渡る

荒川を渡りきると、右カーブしながらさらに下って国道140号線に合流して、バイパスは終点となる。



皆野寄居バイパス終点

2005年5月13日加筆

戻る