三才山トンネル有料道路
三才山トンネル料金所。奥に見えるのは孫六トンネル。
路線名 | 国道254号線 |
有料道路区間 | 上田市〜松本市 |
三才山トンネル総延長 | 2511m |
供用開始日 | 1976年10月31日 |
事業費 | 135億円 |
料金 | 普通車 500円 中型車 560円 大型車 810円 特大車 1420円 軽自動車 400円 軽車両等 50円 |
【歴史】 |
長年、県第二の都市松本と、上田・小諸ならびに佐久方面を結ぶ交通は立ち遅れていました。 南は美ヶ原をはじめとした2000m級の山々が、北も三才山など1500m級の山々が連なり、 交通の障害となっていました。 両区間を通年通行可能な道路といえば、国道143号の青木峠越えぐらいしかないうえ、 その143号も峠付近は現在でも狭く通りにくい道路でありました。 そこで、当時小諸が終点であった国道254号線を松本まで延伸したうえで、 丸子町と松本市の間を三才山トンネルで結び、有料道路で建設費を償還する計画が立ちあがりました。 1972年(昭和47年)10月に着工以来、4年の歳月と135億円の費用を投入した大工事は、 1976年(昭和51年)10月に完成、供用を開始いたしました。 この三才山トンネルの開通により、上田松本間は従来の約半分の時間で結ばれることになり、 地域の発展に多いに役立つことになりました。 |
【現在の状況や問題点など】 |
供用開始から25年を過ぎてもなお、上田松本間はほぼこの国道254号線のルート一本しかなく、 いかにこの三才山トンネルが地域住民に貢献しているかが実感できるが、 それでも問題点がないわけではない。 それは通行料が普通車でも500円とかなり高いこと。 往復だと1000円、一月に1、2回通るくらいならまだいいが、 頻繁に利用しなれればならない地域住民にはかなりの負担となってしまう。 もちろん三才山トンネルが大工事であり、かなりの費用がかかったことは、 一度でもここを通行した者には肌でわかることであり、 ここを有料道路にした意味もまた納得できるし、500円を払ってでもここを通る意味も多いにある。 だから、あとは少しでも早く建設費を償還して、無料になってほしいというのが地域住民の願いであろう。 幸いなことに、通行料がこれだけ高いにもかかわらず、当初予測した通行台数を上回る、 1日8000台以上の交通量に見まわれ、このままいけば平成17年には償還できる予定であった。 しかし1994年(平成6年)、松本トンネル有料道路が開通した際、 建設費の償還を三才山とのプールにすることが認可され、 その結果三才山の償還は30年間から45年間に変更、 無料になるのは平成33年にまで先延ばしされてしまった。 それでも松本トンネルが有効活用されているならまだいいのだが、当初の半分にも満たない交通量では、 地域住民も納得がいかないだろう。 三才山の交通量が予想を上回っているため、平成33年よりも数年早く償還できるのではないか、 という声も出ているが、それでは問題を解決したことにはならない。 もし三才山が無料開放されれば、地域住民にとってこれほどありがたいことはないだろう。 もちろんそれによって、さらなる交通量の増大が予想されるが、 三才山トンネルの前後には信号があまりないため、大きな渋滞は今と同じく峠の登りに限られるだろう。 本音をいえば、登坂車線をもっと整備してくれれば、 大型車による登りの30km走行を先頭にした渋滞も解消されるのだが、 九十九折りを避けるために、橋梁の連続でトンネルにほぼストレートで向かっている構造は、 冬季の凍結した路面では非常に効果を発揮しているため、あまり無理な事は言えないだろう。 少なくとも、松本トンネルとのプールによる償還の目的を、 はっきりとした理由で公で説明するのが一番だと思うのだが。 なお、三才山は「さんさいやま」ではなく「みさやま」であることを、付け加えておこう。 |
今回は丸子町(現上田市)側から走行してみよう。
国道254号線を松本方面に走行すると、国道152号線と別れてから4ヶ所ほどしか信号がなく、
実にスムースに鹿教湯温泉まで着く。
ここには温泉街の外側にバイパスがあり、鹿教湯トンネルであっさり抜けることができる。
トンネルを抜けると、もう三才山トンネルへの登りが始まっている。
内村ダムへ下る分岐を過ぎると、一気に勾配があがっていき、10%ほどの勾配になる。
大型車にはかなりの勾配であり、30〜40kmほどの速度しか出せなくなり、
それを先頭に車が後ろに連なる光景がよく見られる。
この登りが3km以上も続いたのち、ようやく料金所が見えてくる。
料金所の横には、道路公社の建物に併設する形でトイレがあり、駐車スペースもある。
料金所横のトイレ
料金所を過ぎるとすぐ孫六トンネル(240m)に入る。
トンネルを出ると鹿教湯大橋になり、ここからの眺めは結構すばらしい。
鹿教湯大橋
橋を渡ると、三才山トンネルはもう目前。その最後の登りにきて、ようやく登坂車線が現れる。
三才山トンネルは標高1100m。こんなに高い位置まで登ってきながら、
それでも2511mもの長いトンネルになってしまったのだから、いかに難工事だったかうかがえる。
さすがにトンネルが出来たのが古いため、最近に出来たトンネルよりも小さく感じられる。
おまけに歩道がないため、軽車両での通行はかなり難儀しそうだ。
トンネルに入っても登りは続き、真ん中で松本市に入ってもまだ登りは続く。
ようやく出口の明かりが見えてくると、その松本市側の入り口手前付近が一番標高が高くなっている。
三才山トンネル丸子町側入り口
三才山トンネル松本市側入り口
トンネルを出て下り始める。松本側からの登りもトンネル手前で登坂車線があるが、
丸子町側のほうが登坂車線が長い感じである。
松本市側はトンネルは一切なく、橋梁の連続で一気に下っていく。こちらの勾配も10%はあるだろう。
松本市側の下り。一直線に貫いている。
下りがようやく終わる付近にも、登りには登坂車線が設けられているのだが、
最近新たに美鈴湖方面への右折レーンが出来てしまい、登坂車線の長さが短くなってしまった。
おまけに取材時には、方面防災工事のために1車線に規制されており、登坂車線が使えない状況であった。
ここは登りの始まるところでの貴重な追い越し区間のため、いち早い工事の終了が待たれる。
【感想】 |
既に50回以上この道を往復している私だが、 この道の価値がわかっている私としては、実は500円の出費はいたくない。 むしろ厳冬期には、いち早く除雪車が起動しているので、 案外下の道より走りやすかったりして、非常にありがたかったりする。 そういった意味では、有料道路ならではの整備があるので、 このくらいの出費は当たり前と思ってしまっている。 今後もこの道は頻繁に利用させてもらうので、回数券の購入を真剣に検討しているのだが、 土日、祝日には購入できないため、未だに買えていない。 100回券だと4万円ですみ、1万も浮くのだが、果たして買う勇気があるかなぁ。 |