那須甲子有料道路
那須甲子有料道路那須料金所
路線名 | 県道290号那須甲子線 |
有料道路区間 | 栃木県那須郡那須町〜 福島県西白河郡西郷村 |
総延長 | 12.1km |
供用開始日 | 1978年9月1日 |
事業費 | 26億円 |
料金 | 普通車 930円 大型車T 1470円 大型車U 3350円 軽車両等 100円 |
【歴史】 |
この道路は、栃木県那須町と福島県西郷村甲子地区を、最短距離で結ぶ観光道路であり、
又これらの地域の森林資源の開発にとりましても必要な道路でありましたが、 以前の道路は大部分が林道として造られたものなので、 幅員も狭く急勾配の上、 線形及び曲線半径が短いなど極めて条件が悪く、 又砂利道のため自動車の通行も困難な状況にありました。 このため、この区間のうち12.1キロメートルを有料道路として改築し、 広域観光ルートとしての役割を発揮させるとともに、 当地域の産業経済の発展に寄与するために整備し、昭和53年9月に供用開始しました。 |
【現在の状況や問題点など】 |
那須高原と甲子高原とを結ぶ那須甲子有料道路は、栃木県と福島県の県境を走る観光道路である。 地方の道路公社が管理運営する有料道路の場合、2つの都道府県にまたがっていても、 どちらかの道路公社が管理するのが一般的であるが、 この那須甲子有料道路は珍しく、栃木県道路公社と福島県道路公社が共に管理している。 この道路が観光道路であるためか、それとも両県とも同じくらい距離があるからであろうか。 真相はわからないが、ただこの道路にそれほどの魅力があるのかと言われると、疑問がある。 そもそも観光道路である那須甲子有料道路なのに、それほど魅力のある名所が乏しい。 ゴヨウツツジを始めとして、まったく沿道に観光名所がないとは言わないが、 少なくとも930円もの通行料金を払ってまで、この道路を走行するほどとは思えない。 おそらくこの有料道路を一度でも走行した方なら、まずほとんどの人が高いと感じるであろう。 観光道路であるため、大型トラックや通勤の車などはほとんど通らない。利用客はほとんどが観光客。 すなわちこの道路の通行台数が多いかどうかは、沿道の観光名所の良し悪しにかかっているのだ。 栃木県や福島県には、この道路と同じくらいやそれより高い有料道路があるため、 那須甲子有料道路がひときわ高い通行料金であるわけではないが、 そんな高い通行料金でありながら黒字経営を続けている道路も存在する。 そんな道路を走行した人にとっては、幻想的な眺望や絶景を堪能することができれば、 決して通行料金が高いとは思わないだろう。 那須甲子有料道路の経営が非常に厳しい現状では、料金に見合う名所が少なかった、 としか言いようがない。福島県道路公社のみの資料であるが、 公社の予測した交通量のわずか4分の1しか利用されていないのに、 通行料金を値下げして少しでも利用台数を増やそうとしなかったのは、 観光道路といえどやはり問題があったとしか言えない。 そんな那須甲子有料道路も、多額の累積債務を抱えたまま、2008年に30年の償還期間を終え、 無料解放されることがほぼ決まっている。 果たしてこの道路は、本当に有料道路であり続けたことが良かったのだろうか。 予測された交通量とは極めてかけ離れた少ない利用台数がわかった時点で、 県が買い取って早々に無料解放するという手もあった、と私は思うのだが。 |
今回は、那須高原から甲子高原を目指して走行してみた。
八幡料金所から那須高原有料道路を出ると程なくして、県道344号線が分かれる交差点に出くわす。
この交差点の先にある小さな橋を渡り終えたところが有料区間の起点であり、その先には那須料金所が待っている。
起点前の交差点
料金所手前の那須側起点
料金所を過ぎると、その後は木々の間をいくつかのヘアピンカーブとともに抜けていく。
料金所を抜けたあたり
新緑の中を抜けていく
やがて、県道305号線が分かれる交差点となり、ここから有料区間に出入りする車のために、那須第二料金所があった。
この付近に、マウントジーンズスキー場がある。夏のシーズンは展望ロープウェーが山頂駅まで運行しており、
冬だけでなく1年を通じて自然を楽しむことができるようになっている。
交差点前の青看板。マウントジーンズの看板も見える。
那須甲子有料道路那須第二料金所
その後も森林の中をひたすら走行していくと、やがて福島県西郷村に入る。
するといきなり視界が開け、白河高原スキー場となる。
やがて福島県西郷村へ
その後いきなり視界が開ける
白河高原スキー場
白河高原スキー場を過ぎさらに進むと、やがて福島側の甲子料金所が見えてくる。
料金所を過ぎさらに下っていくと、国道289号線にぶつかる前に有料区間の終点をむかえる。
那須甲子有料道路甲子料金所
料金所を過ぎた後
終点
【感想】 |
う〜ん、この道路の一番の観光名所ってどこなんでしょ? 確かに新緑はすばらしいし、紅葉の季節になれば、 見事な観光道路となりえますが、 少なくとももう一度走行したい道路かと聞かれれば、 走行しないでしょうね。 |
2005年5月23日公開