マンガ作品ランキング

1位 竹本泉      あおいちゃんパニック!  5代目殿堂入り

2位 星里もちる   夢かもしんない
   別冊宝島の「日本一のマンガを探せ!」のレビューを読んだのが、すべてのきっかけだった。
   妻子持ちのサラリーマンの加勢晴夫のまえに突如女の子の幽霊が現れた。
   「加勢さんをハッピーにしてあげる」といって加勢につきまとう彼女。
   しかしそんな幽霊が、実は20年前に死んだアイドルだったことがわかり・・・。

   古本屋で第1巻を立ち読みしてあっさりハマり、単行本を全巻買ってその日のうちに読みほしてしまった。
   加勢くんとすみれちゃんを結ばせてあげたかった。それが読み終えた感想だった。
   もし、すみれちゃんがあのような死を迎えなかったらどうなっていたのか。
   案外歌手をやめて加勢くんのもとに行っちゃったかも、なんて思ったりしたものだ。
   だからこそ、二人がたった一日、いやたった数十分、心が通い合った瞬間を描いた
   第2巻の第1話「とても楽しかった。」は、忘れることが出来ない。

   しかしこの作品がすばらしいのは、そんな幽霊のすみれちゃんをメインに描くのではなく、
   加瀬くんの身の回りでおこる出来事を、たんたんと描くことを目的としている点である。
   美佐子さんが仕事をしたいと言い出し長野に娘を連れていってしまったり、
   自分に好意を持っている後輩の佐藤さんと関係をもってしまったり、
   大学のゼミの先輩が自分を引き抜きにきたり。
   加瀬くんの日常を描くなかで、本当の幸せとは何か描こうとする。
   だから時にはすみれちゃんが数話にわたって出てこなかったりもする。
   やろうと思えば、加勢くんとすみれちゃんのラブラブな話にしちゃうとか、
   すみれちゃんが幽霊で他の人には見えないことを利用して、番外編で探偵ものをやるとか、
   いろんなことが出来たし、いろんな話の進め方も出来たはずだ。
   しかし作者はそれをやらなかった。だからこの作品はせつないのだ。
   だからよりこの二人を結ばせてやりたかった!、と思ってしまうのだ。

   さて、作品中盤まで、すみれちゃんは自分の心を恐らく殺して、
   加勢くんがハッピーになるために後輩の佐藤さんをくっつけようとする。
   すみれちゃんが加勢くんを好きなのは、読者の誰からもあきらかなのに。
   しかしそんなすみれちゃんも、終盤に差し掛かると強烈に自分を出し始める。
   いや、出してしまった、という言い方のほうが正しいか。
   「あたしを・・・ひとりにしないで・・・加瀬くん・・・・・・」
   こんな言葉を言われた日にゃあ、私だって長距離通勤しちゃいますよ。
   すみれちゃんのためならね。

3位 綱渕貴仁    NaNa
   古本屋でなにげに手にし立ち読みしたことが、出会いだった。
   ヒロインのナナや、吾朗の彼女のことみちゃんには萌えなかったが、
   (ハチリンのほうが私としては萌えた)
   作品の雰囲気が気に入り、面白いなと思った。
   しかしその日はなぜか単行本を買わなかった。
   思った通り、その翌日にはNaNaの単行本を買わなかったことを後悔していた。
   しかし昨日の古本屋は50Kmも離れているのでおいそれと行けない。
   そこで近場の本屋をしらみつぶしに回って集めることにした。(その時はまだ連載中で4巻まで)
   しかしどうしても3巻だけ揃わなかった。
   悔しいが家に帰って買えた巻だけ読むと、
   何と3巻の「恋のように僕たちは」が名作であることがわかった。
   おいおい。3巻だけないのに。
   次の日は行動範囲を広げて3巻を探し、やっとのことで手に入れることが出来た。
   苦労して手に入れた3巻の「恋のように僕たちは」は、本当にいい話であった。
   この話だけで、NaNaは名作マンガと評価されるようになったのであった。

   ことみちゃんという彼女がいる中1の吾朗の家に、
   吾朗の父親の会社で作ったアンドロイド・ナナがやってきた。
   普通この設定なら、吾朗とナナがくっつく話が思いつくし、
   その設定のほうが萌えマンガとなりやすい。
   しかしこのNaNaは、ナナを吾朗とことみちゃんの恋のキューピッド役にしている。
   作品中盤にナナが吾朗を好きになる話はあるが、結局結ばれない。
   このストーリー展開は、評価していいと思う。
   
   さて、いよいよ「恋のように僕たちは」の話をしなければならない。
   前の回で吾朗を好きなハチが、ことみちゃんとの仲を引き裂こうと、
   隣の学校の鳴瀬の顔に変身して転校生としてことみちゃんに近づき、
   ことみちゃんの気を吾朗から離そうとたくらむが結局失敗してしまう、
   という話の続きであることをまずおさえておかねがならない。
   そしてこの回は、鳴瀬ハチの転校の手続きをするために学校へ向かったハチが、
   通学途中に道路の真ん中で渡れなくなっていた子犬を助けるところを、
   天野さんが目撃するところから始まる。
   そしてそんな鳴瀬に淡い恋心を抱く天野さん。実は変身したハチとは知らず。
   ハチもまた自分にやさしくしてくれる天野さんのことが気になりはじめていた。
   おとなしく、いじめられっこの天野さん。
   鳴瀬に変身したハチは、そんな天野さんに「イヤなことはイヤっていわなきゃ」
   と元気づけるのだった。
   翌日、いじめっこの北尾たちにからまれ、逃げてしまう天野さん。
   「やっぱりできない」そう鳴瀬に言う天野さんに、
   「天野さんなら勇気だせるって信じてたのに」そしてハチは続ける。
   「転校するんだ」「元気な天野さん見てから転校したかったのに」
   その言葉を聞いた天野さんは、勇気を出して北尾に言うのだった。

   それまで、明るい話がほとんどだったNaNaだったため、
   このハチと天野さんの話はとてつもなく感動したのだった。
   同じく感動した読者は多かったらしく、反響はとてつもなく大きかったため、
   吾朗が高校に入るときに再び天野さんは登場し、以後レギュラーになるのであった。
   そして単行本5巻。
   発売日に買った私は再び感動することになった。
   この巻では、天野さんがハチが鳴瀬に変身していたことをしってしまい、
   天野さんとハチが親友になるのである。
   特に天野さんの記憶を消すまいと奮闘するハチの姿は感動であった。
   まさか女の子同士の友情を描いたシーンで、これほど感動するとは思わなかった。
   こうしてNaNaは、私にとって忘れられない作品になったのである。

4位 赤松健      AIが止まらない!
   「ラブひな」の大ヒットによって一躍人気作家になった感のある赤松健だが、
   古くからの赤松ファンなら「ラブひな」より「AIとま」を押すだろう。
   もちろん私も「ラブひな」連載開始当初はたいへん熱狂したものだが、
   やがて登場人物が多くなるうえに、コマの大きさが小さくなっていき、
   ブレイクしていくのとは反対に私は読まなくなっていった。
   なるはかわいかっただけに残念だった。

   この「AIとま」は、1994年に週刊少年マガジンにて連載開始し、
   5ヶ月ほどののち、マガジンスペシャルに移って1997年まで続いた作品である。
   勉強ダメ、運動ダメ、背も低いしみてくれもいまいち、もてない男の典型のひとしだったが、
   たったひとつ誰にも負けない特技があった。
   それはパソコンのプログラミング。
   ひとしは両親のスーパーコンピューターを使って、
   理想の女の子を組み込んだ人工知能(AI)プログラムを作った。
   ひとしはそのAIにサーティと名をつけ、彼女との会話を楽しんでいた。
   そんなおりひとしの家に落雷があり、なんとサーティが実体化してしまった。
   こうして世間のことを何もしらないAI・サーティとの同棲生活が始まった。

   パソコンに精通していた作者が描いたこの作品は、とても面白かった。
   このような展開のものは珍しくないが、なによりサーティがAIプログラムであるというのが新鮮だった。
   序盤は世間のことを何もしらないサーティが起こす騒動を中心にして、
   ひとしの学園生活を描いていたが、
   姉のトゥエニーが登場しだして一連のひとし奪い合いの話が終わると、
   ひとしのスケベがより一層増してきて、俄然話がのってくる。
   そして妹のフォーティが揃うころにはすっかりエロ主体に(笑)。
   絵のほうも、連載開始当初はまだかたかったが、
   連載が進むに連れて丸みを帯びた絵になっていき、
   サーティも俄然かわいくなっていき、私もそのサーティのかわいさにやられたものである。
   そのうえ徐々にサーティの心も人間の心に近づいていき、
   人間味あふれる行動が目立つようになってくる。もうメロメロだった。

   冷静に考えれば、サーティのあと姉のトゥエニー、妹のフォーティが登場してくるのは、
   「ああっ女神さまっ」のパクりだし、
   サーティ達がモニターから出てくるのは、「電影少女」のパクりである。
   でもそれがこの作品の評価を下げることにはならない。
   逆に誰にでもわかるパクりかたをしながらも、魅力的なキャラクターと斬新な設定で、
   引けを取らない名作にしたてあげているのがすごいと思う。

   さて、これまでの評価でもすでに大変な名作だったのだが、
   作品後半、とんでもない新キャラクターが登場し、私の心をさらうことになった。
   シンディ。
   そう。「AIとま」最大のサーティのライバルである。
   これまた誰にもエヴァのアスカのパクりとわかるキャラクターでありながら、
   作者の愛情を一身に受けたシンディは、衝撃をあたえた。
   詳しいことは、マンガキャラクターランキングのほうで語るが、
   単行本第8巻の「ラストシーンは私に」は、私にとって忘れえぬ回である。

   「AIとま」は、最後に序盤のひとしのプログラマーのライバルだったビリー・Gを再び登場させて、
   感動の最終回を迎えるのだが、
   この作品ほど「もっと続いて欲しかった」、と思ったものはなかった。
   今だから言える。「AIとま」は良かった。

5位 長月みそか   あ でい いんざ らいふ

6位 山田謙二    アクトレス


7位 むつきつとむ  としうえの魔女たち

   この作品は成人向、つまりエロマンガである。
   それでもこの作品が、マンガランキングにランクインしたのはそれなりの理由がある。

   この作品を初めて観たのは、アキハバラデパート3階の本屋だった。
   今はデパートの中が変わってしまったが、当時あった本屋は何故か18禁の本も新刊は立ち読みができた。
   そこでなにげに手にして読んでみたら、まあ、その、ハマってしまったわけである。
   高校生の清孝と、自分の母親の同級生で幼なじみの小鳥さんの恋を描いた作品。
   つまり小鳥さんは少なくとも30はいってるわけだ。
   しかしどう見ても中学生くらいにしか見えない。
   おまけにめちゃくちゃかわいい。
   こんな設定で萌えないほうがおかしい。

   まあ、その後は離れたりくっついたりとお決まりのパターンなのだが、
   まさか小鳥さんがラストでああいうかたちで清孝のもとを離れるとは思わなかった。
   まあ、この二人はいずれ結ばれるだろうが。

戻る