魔法の天使クリィミーマミ全話レビュー
TVシリーズ前半 第1話〜第26話

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私の好きな歌ランキング2007
第8位 美衝撃
第12位 LOVEさりげなく
第19位 BIN・KANルージュ

第1話 フェザースターの舟 1983年7月1日放送
優がピノピノに魔法のコンパクトを授かる話。
普通人間にはフェザースターの箱舟は見えないのだが、なぜか優は見る事ができた。
しかも夢嵐に巻き込まれてしまい、道に迷っていた最中であった。
優は気になった箱舟を追いかけていったが、箱舟はその優を目印にして脱出に成功。
ピノピノは箱舟を助けてくれたお礼に、優に1年間の期限付きで魔法のコンパクトを授け、
猫の姿をした妖精、ポジとネガをお目付け役として置いていくのであった。

第1話は、何より優&マミ役の太田貴子嬢の、棒読みのセリフからであろう。
「何かな?」
まずこのセリフに驚き。その後も驚きっぱなし。
声は上ずっているし、もうただセリフを言うだけで精一杯といった感じ(苦笑)。

哲っちゃんのローラースティックを勝手に借りて、箱舟を追いかけるために出かけてしまう優。
しかし、このローラースティックって危なくない?(笑)。
アニメではすごいスピード出てるような印象を受けるし、
警官が追ってきちゃうのもわかる気がする。
でもヘリコプターを出動させるほどの騒ぎか?(苦笑)。

しかしこの第1話は、アニメ的演出が多いね。
車が1回転したり、警官が「アーウー」とサイレンのまねをしたり。

箱舟を追って着いた所は、セントラル競馬場。
しかしこうも簡単に競馬場の中に入れるなんて、警備はどうなってるんだ?
と、突っ込んでばかりいるが、この競馬場での箱舟の描かれ方は絶品。
美術監督の小林七郎さんの手腕であるが、見事でありとても綺麗である。

この第1話は、重要なことが抜け落ちていたりする。
ポジとネガは優に名前を言っていないし、
ピノピノは優に、魔法を他の人に見られたらどうなるか、を伝えていない。
もちろん魔法の使い方も教えていない。

だから優もコンパクトを見てもチンプンカンプン。
このへんのストーリーは私は大好きである。
「キャノ」とつぶやいてステッキが出てきても、
「これ、どうやって使うの」とネガとポジに聞くシーンは、第1話のクライマックスであろう。
もっともそのポジとネガも知らないうえ、コンパクトに書いてある言葉さえ読めないのは、
どうかと思うが(笑)。これでいいのか、ピノピノ。

で、ネガがやっと1つだけ読めた呪文が、「パンプルピンプルパムポップン」。
つまり本当はもっといろんな魔法を使えたはずなのに、
呪文が読めなかったので、マミに変身することしか、主に使うことができなかったのだ。
もしネガがこの呪文も読めなかったら、どうしたのだろうか。
やっぱりピノピノ、どうかと思うぞ(笑)。
ちなみにネガが呪文を言った後の優のセリフ、
「それだけの字でそんなに」は爆笑。

で初めての変身シーン。
ついにマミちゃん登場!、とか言ってるけど、まだマミという名前無いんだっけ。
ちなみに当たり前ですが、優とマミの声の使い分けなんて、まだ出来ていません(笑)。
頑張れ太田貴子。
(2004年9月1日書き下ろし)
第2話 スター誕生! 1983年7月8日放送
まあ要は、立花さんに変身後の姿を見られてしまった優が、
めぐみさんの代わりにステージで歌うことになってしまう話なのだが。

ポジとネガを部屋に置いたまま出かけ、公園で変身する優。
ここで初めて変身時にト音記号のマークを描くようにステッキを振るのだが、
これって傍から見たらト音記号に見えているので、優はわざと逆に振っているのか?
とか突っ込みをいれたくなってしまう(笑)。

さて、ようやくパルテノンプロダクション社長、立花慎悟登場。
同社の看板アイドル、綾瀬めぐみのステージがこの日あるのだが、
マネージャーの木所さんのミスで渋滞にはまり、間に合わないという。
そんな折、変身後の姿で新宿に遊びにきていた優に出会った立花さんは、
彼女の姿に何かを感じ、
「出会いはいつも、炎の如く唐突だ」とつぶやき、なんと強引にも、TVに出てくれと言うのだった。

最初は嫌がっていた変身後の優であったが、結局ステージに出ることに。
司会者に名前を聞かれた優は、実家のクレープ屋の「CREAMY」から、
「クリィミーマミ」と告げるのであった。
しかし司会者のミスで、カンニングペーパーを渡すのを忘れてしまい、
歌詞も知らないのに歌が始まってしまった。(どういう司会者だ!?)
というか、どういうステージだ!?(苦笑)
立花さんもいい度胸しているよ。失敗したら首とぶよ。
星井ディレクターが慌てるのも、無理ないよ。

絶体絶命の危機であったが、マミは魔法に「歌をください」とお願いする。
するとステッキはマイクに変わり、「デリケートに好きして」のメロディーが流れてくるのだった。
そしてハミングで歌い始めるマミ。
ハミングであっても、彼女の歌声は観客を魅了し、またTVの視聴者にも衝撃を与えた。
しかし、ステージが終わり観客がマミに押し寄せると、マミは魔法を使って難を逃れ、
立花の目の前から姿を消してしまった。
ここから、アイドル歌手クリィミーマミの伝説は始まるのだった。

さて優だが、帰りの電車賃がなく困り、俊夫に電話して迎えにきてもらうことに。
「大きなビルの近く。わかんなーい」
は優の名言ですね(笑)。。
一方パルテノンプロでは、めぐみさんのビンタ初お目見え(笑)。
これから一体何回立花さんはめぐみさんにぶたれるのでしょうか。

しかし優よ、俊夫もマミを観たからといって、
わざわざ俊夫の前にマミで現れなくってもよかったんじゃない?。
あんなことしなければ、マミはデビューしなくて済んだかもしれないのに。
(2004年9月1日書き下ろし)
第3話 デビュー!デビュー!! 1983年7月15日放送
「マミ」初期3部作のラストの話。
この回で正式にクリィミーマミが歌手デビューすることになり、
シリーズの枠組みが完成することになった。

まずはセント・レミー学園初登場。
コンパクトの文字を解読しようとする、ポジとネガの2匹がかわいいねぇ。
私にもこんな猫欲しいなぁ。
そういえば、このときはポジは「優」と呼んでるなぁ。
このあとも「優ちゃん」って呼ぶ時あるのにねぇ。

立花さんは、なんとしてもマミを見つけようと、躍起になっていた。
そこへ週刊誌の広告を見て、俊夫がパルテノンプロにマミに関する情報の電話をしてきた。
早速立花さんと俊夫は、こともあろうに優の家のクレープ屋で会うことに。
優も自分の家に立花が来ていることを知ってビックリ。
俊夫をつかまえて真相を聞くと、立花さんがマミをデビューさせたいと思っているとのこと。
俊夫もマミにデビューしてほしいと思っており、心中は複雑であった。

ちなみにその間のポジとネガの会話も最高です。
「おいポジ、いつまで猫みたいな事やってるんだよ。」
「しょうがないでしょ、猫なんだから」「なりきるな!」

そこで優は、俊夫の前に再度マミとして現れ、マミの口からデビューしないことを伝えようとするが、
後をつけていた立花に車で連れ去られてしまう。
立花さん強引(笑)。これってあるいみ誘拐だよ。

「ねぇ、私の話も聞いてよ」「聞いてるとも」「じゃあ、わかってるでしょ」「わかってるとも」
「ご理解していただいて嬉しいわ」「なあに、それほどでも。じゃ、そろそろ行こうか」
「行くってどこへ?」「決まってるだろ、局だよ。君は今晩TVに出るんだ。さっきそう言ったじゃないか」
「もう!ちっともわかってないじゃない」
マミと立花さんの会話も最高ですね。

「うーん、だんだん悪い子になっちゃなぁ。」
立花さんに哀願され、しぶしぶ今回だけという約束で引き受けたマミは、
家に電話をするのだが、俊夫の家に居ると嘘をつくことになり、このセリフを呟くのであった。

そしてTV出演。
なぜかめぐみがマミと一緒に登場し、なんと意外にもめぐみさんから、
マミが同じ事務所からデビューすることを発表されてしまった。
結局うっかり口を滑ったため、デビューが決まってしまい、
デビュー曲「デリケートに好きして」を初めて歌うのであった。
(2004年9月2日書き下ろし)
第4話 スクランブル・トップテン 1983年7月22日放送
マミがトップテンで初めて歌うことになったが、
4話目にして早くも優は魔法のコンパクトを無くしてしまう回。

デビュー曲「デリケートに好きして」が大ヒットを記録し、一躍時の人となったマミ。
今日もTV局で歌番組に出ることになったが、
優はマミに変身するのを忘れて立花さんの前へ。
「あっ、いっけな〜い!。変身するの忘れちゃった。」「ドジだねぇ」
優とネガのこの会話、好きです。

とある日のこと、優は公園でみどりとぶつかった際に、コンパクトを落としてしまう。
その日はマミのデビュー曲が発売1週間でトップテン入りし、
歌番組のトップテンに生出演することになり、
俊夫がすごくマミを見たがっていたため、しぶしぶ出演することに。
しかしそこで、コンパクトを落としたことに気付く優であった。

魔法のコンパクトを落とすというのは、魔女っ子アニメの王道ストーリーといえるが、
それを始まったばかりの4話目に持ってくるのは、なかなかうまい。
幸いコンパクトを拾ったのがみどりであったため、事なきを得るのだが。
そうとも知らず、優とポジとネガは、必死にコンパクトを探すのだった。

みどりとぶつかった公園を探していたところに俊夫が現れ、
コンパクトなら遊園地にいるみどりが持っていることを知る優。
しかしトップテンの放送が始まってしまう。そこで立花さんに遊園地にいることを連絡し、
立花は中継車を手配して遊園地に急行。

優は俊夫と遊園地に到着したが、みどりが持っていたコンパクトは、
なんと止まった観覧車の一番上の箱の中。
もうスポットライトのコーナーまで時間がないと知るや、なんと観覧車を登り始めるのであった。

なんと無茶な(苦笑)。
こんなの大人だって登れんぞ!。いくらアニメとはいえ、ちょっとストーリーに無理があるかも(笑)。

結局放送には間に合い、マミは観覧車の中から歌を歌い、
おまけに魔法を使い放題の演出までしちゃいます。
いくら映像でしか観れない演出とはいえ、ちょっと魔法使いすぎでは(笑)。
(2004年9月2日書き下ろし)
第5話 あぶない!?マミの秘密 1983年7月29日放送
めぐみさんに、マミは優が変身した姿なのでは?、と疑われてしまう話。
前回が魔法のコンパクトをなくす話で、今回が魔法の秘密がばれそうになる話、
と王道ストーリーをシリーズ序盤に出してしまうのは、すごい構成である。

ファンから贈られてきたぬいぐるみを抱いて、パルテノンプロから帰宅するマミ。
途中プレッシングルームルームで優に戻ることにしたが、
ルームに入る前に出てきためぐみさんと衝突してしまう。
マミは起き上がりルームの中で優に戻るが、めぐみさんも再びメイクし直すために部屋の中へ。

そこで優はめぐみと対面。
わざとめぐみにぶつかってその場を離れるが、
マミがいなくなり優が現れ、しかも優はマミが持っていたぬいぐるみを持っていたことで、
めぐみさんは、マミは優が魔法で変身した姿なのでは?、という疑問を抱く。

しかし優は、魔法に対しての注意が足りないよな。
あれじゃバレバレだよ。めぐみさんじゃなくてもわかるよ。
マミから優に変身しているシーンでは、今にもめぐみさんがカーテンを開けて入ってきそうで、
ストーリーが分かっていてもひやひやしてしまうよ(苦笑)。

翌日テレビ局で再び優にあっためぐみさんは、自分の疑問を晴らすべく行動を開始。
優の後を追い、恐竜の着ぐるみを着た自分のファンに手伝わせ、
優をおりの中に閉じ込めてしまう。
マミの出番が始まるまでにおりから出てスタジオに行かなければ、
めぐみさんに魔法のことがばれてしまうかも。まさに絶体絶命。

既に番組はとっくに始まっていたその時、優が閉じ込められている部屋に俊夫が現れた。
恐竜の奥に優が閉じ込められていることを見つけたみどりは、
なんと恐竜に体当たりして投げ飛ばしてしまった。
無事おりから出ることができた優は、俊夫たちがスタジオに行った後変身。
魔法の力によって動き出した小道具のキャラクターをひきつれてスタジオに直行、
なんとか間に合うことができたのでした。

しかしめぐみさんは、優が逃げ出したのかもと思い、先ほどの倉庫に向かった。
そこでマミも後を追い、めぐみがのっぺらぼうにビックリして気絶している隙に、
さきほどのおりに入ることに成功。
めぐみの疑惑を無事晴らすことができたのだった。

でも今思うと、ここでめぐみさんに変身を見られていたら、
それはそれで面白かったかも、とか思ってしまう。
たった5話で終了しちゃうなんて、なかなか無いしね。
(2004年9月3日書き下ろし)
第6話 伝説の雄鹿 1983年8月5日放送
ようやくここから、普通の話が始まったといえる。
今回は、マミ初のCM撮影を夏川渓谷ですることに。

立花さんらとは別に、俊夫とみどりと一緒に夏川渓谷に向かった優は、
その道中にみどりから、モッパラ鍾乳洞の黒い雄鹿の伝説の話を聞かされる。
最寄の駅に着いたとたん、優もネガもなにかを感じたのだが、そのまま秋川渓谷へ。

でもバスに乗っているときに、パルテノンプロの車が追い抜いていったが、
あんな崖沿いの道で追い抜くとは、なんて無謀なことを(苦笑)。
またCM撮影なのに、スタッフが全然乗っていなかったのは、どういうこと(笑)。

バスの中でポジは、モッパラ鍾乳洞の黒い雄鹿の伝説が、
フェザースターの月に住む雄鹿のことではないかと気付く。
そこで撮影の前にその鍾乳洞に行くことにした優。

しかしアニメのモッパラ鍾乳洞の入り口って、しょぼいなぁ。
現実の舞台の日原鍾乳洞とはえらい違いのような気がしますが。
また日原鍾乳洞って、夏川渓谷のモデルの秋川渓谷とは全然違う場所なのね。
だまされてました、アニメに(苦笑)。

鍾乳洞の中で雄鹿の鳴き声を聴いた優は、さらに奥へ進み、
雄鹿が閉じ込められている場所へたどり着いた。
雄鹿の言葉を信じて石をどけると、出てきたのはフェザースターの雄鹿とは違う、
小さい黒い雄鹿であった。

優はマミのCM撮影の時間が迫っていることに気付き、鍾乳洞からでてマミに変身。
マミはその黒い雄鹿と撮影場所に急いだが、転んだり大木が倒れたりと、伝説の通り不幸が連続。
しかしマミは雄鹿のせいにはしなかった。

しかしマミよ、雄鹿に近道を教えてもらったとはいえ、
人一人しか通れないような崖っぷちの道なんか歩くんじゃねぇ(苦笑)。
おまけに自分の居場所を立花さんらに知らせるために、そこで歌うなんてどうかしてます。
マミちゃんよ、その性格直したほうがいいと思うよ。
また歌っただけで、どうしてCM撮影終了なの?。
商品の説明とか、しなくていいの?。普通スポンサーの方も同行していない?
スポンサーのOKでないと何度でもやり直すのでは?
とか突っ込みたくなっちゃいます。

ラストは雄鹿が変身して、やっぱりフェザースターの雄鹿であることがわかるのだが、
それより雄鹿がマミのステッキに、物と仲良くする力を授けるほうが重要かも。
まあ、全体的にこの話は、どうってことないです。
まあ、観れない話ではないが、進んで観たいとは思わないなぁ。
(2004年9月3日書き下ろし)
第7話 大親分に花束を! 1983年8月12日放送
スネークジョー初登場の回。
スネークジョーは好きなキャラなので、それだけで18話以前のなかでは好きな話である。

ドッキリ症候群に冒されている少年からマミに手紙が来た。
それを読んだ立花は、マスコミを呼んだ中でマミにお見舞いをさせ、
マミのイメージアップを図ろうと企んだ。
マミとは連絡が取れないままその少年が入院している病院へ向かった立花は、
入院しているのは実は少年のお爺さんであり、
おまけにそのお爺さんは日本マフィアのボスであることを知り驚愕する。
マミと日本マフィアのつながりが世間に報じられれば、スキャンダルになってしまう。
マミと連絡が取れないことが幸いであった。
マスコミを既に呼んでしまっていたが、お見舞いは中止することにした。
しかしこんな時に限って、優がその病院の隣のプールにいたため、
一部始終を知ってしまいマミに変身して少年のケンと共に立花の前へ。さてどうなることやら。

冒頭の、少年の手紙を暗記している木所さんに、まず爆笑。
「東京の芸能界で、生きていけなくなっていいのか?」
「おまえな、日本中の芸能界で働けなくなってもいいのか?」
「おまえな、アメリカの芸能界でも働けなくしてやろうか?」
この回は特に、立花さんと木所さんの掛け合いが面白い。
あと木所さんのこのセリフ。
「パルテノンプロ、マフィアと関係。クリィミーマミの影にマフィアあり。なんてね、えへへ・・・」
面白すぎです。

あと優よ、いくらなんでも病院の廊下で変身するのは、危険すぎるのでは?
変身するのを誰かに見られてもいいのか?
ポジとネガの掛け合いもいいですね。
「じょうず、じょうず」「マンネリ、マンネリ」
「今日も綺麗よマミ」「ワンパターン、ワンパターン」

立花は、少年と面会し事情を聞く事にした。
するとやはり少年のお爺さんは、日本マフィアのボス銭亀為五郎であった。
立花と木所は絶対お見舞い出来ないと言うが、そこでマミが名案を思いつく。
少年が入院していることにし、ベッドに寝かせて、院長にもTVに出演させることで協力してもらう。
そして嘘のお見舞いをマスコミに発表するというもの。
そしてその計画はほぼ成功に終わった。

しかし唯一人、スネークジョーだけは見破っていた。
大親分の手術が始まることになり、マミも大親分のお見舞いに駆けつけることに。
大親分もマミが来てくれたことに驚いたが、なんと大親分は大のマミファンであった。
マミは大親分と握手し励ますのであったが、そこにスネークジョーが登場し、
大スクープの写真を撮られてしまった。迂闊に手を出すとさらにスキャンダルを増やしてしまうため、
マフィア側もおとなしくしているしかなかった。
ここぞとばかりにアングルを変えて撮影し続けるスネークジョー、
その危機を救ったのは、ケンの友人達であった。
スネークジョーに襲い掛かった友人達によって、カメラは手から離れ、
さらにポジとネガの魔法によってカメラは窓から落ちて壊れてしまった。

カメラという切り札を失ったため、立場は逆転。スネークジョーは退散してしまった。
これで一見落着かと思いきや、マミが大親分に抱きついたことで、
心臓に負担をかけてドッキリ症候群が再発してしまい、すぐ手術することに。
ま、手術成功して良かったね、ということで。

しかしスネークジョーは惜しかったねー。もう一歩爪が甘かった。
でもそんなドジなところが、スネークジョーのいいところ。
あとビールス性ドッキリ症候群、ビックリすると心臓が裏返るって、どんな病気じゃ(笑)。
一体どんな手術すれば直るんだ?
私個人としては、好きな話である。
(2004年9月3日書き下ろし)
第8話 渚のミラクルデュエット 1983年8月19日放送
後藤真砂子さんが初めて「マミ」の作画監督を担当した回である。
後藤真砂子さんは、マミファンなら知らない人はいない、
最もかわいい優&マミを描いた作画監督である。
総作監の河内日出夫さんや、遠藤麻未さんの描く優も、もちろんかわいいのであるが、
後藤真砂子さんの描いた優は飛びぬけてうまく、
当時キャラデザの高田明美さんよりうまい作画監督、とまでファンに言われたほどであった。

演出の望月智充さんは、第4話で既に担当していたが、
作監の後藤真砂子さんとのコンビはこの話が初めて。
以来望月後藤コンビの亜細亜堂作品は、そのすべてが名作で、ファンの支持を集めていくことになる。

この話、またポジは「優ちゃん」って呼んでますね。やっぱり「優」って言うほうがしっくりきます。

なっちゃんはあまりの仕事の忙しさに、てっちゃんに海に行きたいと言い出した。
優も連れて行ってやりたいといっていたが、その優は夏休みもマミの仕事でスケジュールいっぱい。
とても海なんて行ってる余裕なかった。
そこで優は、両親に「私お家のために働きたい」と言って、海へ行くのを断ったのでした。

優、第1話以来のローラースティックを使っていますね。
それはいいとして、ヘルメットをかぶったまま、電車に乗るのはどうかと(苦笑)。

「今日はパルテノンプロで2時から打ち合わせのはずなんだけどな」
おい俊夫!、どこからそんな情報手に入れたんだ!?
木所さんは、そんなことまで俊夫に伝えたのだろうか。謎だ。

それと優よ、電話ボックスで変身しているが、それでも見られちゃう危険があるのでは?
あと一旦電話ボックスのガラスが割れて、変身終了後に元に戻るのは、望月演出ですね。
意味があるんだかないんだか(苦笑)。いや、私は好きですけど。

後藤マミを見ると、まだこの段階では完成していませんね。
さすがに担当1回目だけあって、後半の絵のような惚れ惚れするマミは描けてませんね。
優はかなり後藤優になってますが。

パルテノンプロに行くと、
立花さんはめぐみさんとの磯浜ビーチでの、ジョイントコンサートを伝えてきた。
泊まらなければならずマミは困惑するが、立派なステージカーを見せられて、ついOKしてしまう。
磯浜に行くには親に連れて行ってもらうしかないが、先ほど「旅行なんて行きたくない」
と言っちゃった後だけに、「また磯浜に行きたい」なんて言えず悩む。
しかし結局、てっちゃんなっちゃんに「やだやだやだ〜、磯浜に連れて行ってくれなきゃ、やだ〜」
とダダをこねる優であった。

しかしそこで、てっちゃんの名セリフが。
「優、お前は考え違いをしているぞ。泣くのはな、暴力を振るうのと同じだ。
お父さんはそういう娘に育てた覚えはないよ。」
いや〜、なかなか良いこと言いますなぁ。てっちゃん一の名セリフじゃないでしょうか。
しかもそんな事言っておきながら、結局磯浜に連れて行ってあげるなんて、いい父親ですなぁ。

この回にて、なっちゃんはハンドルを握ると人が変わることが判明(笑)。
しかも優の家のクレープカー、左ハンドルじゃないですか。生意気な(笑)。
で、立花さんは別の意味でハンドル握ると人が変わっちゃってます。
でもなんで社長自ら運転してるの?。他にスタッフいないんかい?(苦笑)。
すんません、立花さんになっちゃんよ。峠道でカーチェイスしないでくれる。

「で、結局働かされるんだもんな」「優にだまされた」爆笑。

ジョイントコンサート開始。
おっ、めぐみさんの「ラストキッスでGOOD LUCK!」、初めて流れましたね。
でこの回のクライマックスは、なんといっても優とマミのデュエット!。
またもやめぐみさんの策略で、優がマミとデュエットすることになってしまったのだが、
突如訪れたこの危機を、優はスモークをステージにたかせ、
そこにマミのデモンストレーションテープを映写することで回避。
ここに優とマミのスペシャルデュエットが実現したのだ。

なんともいいシナリオですな。
優とマミが同じステージで歌うなんて。
しかも優はちゃんと子供っぽい優の声で歌ってるじゃないですか。
初めて太田貴子さんが優とマミの声を使い分けることができたシーンでは?
(2004年9月4日書き下ろし)
第9話 ま夏の妖精 1983年8月26日放送
ここからは、それほどの話はレビューを短めにする。
「ま夏の妖精」は、TVシリーズ後半に比べると、やっぱり劣る作品なので。

まず、なんでパルテノンプロと優の両親が一緒に旅行するの?
パルテノンプロにとって、優や俊夫はマミのファンの一人にすぎないじゃん。
ちょっと優遇しすぎでないかい?ストーリー^無理ありすぎ。

ま、この話はシリーズ前半に多くみられた、魔法を手にすることで、
それまでは観ることのできなかった人たちとの遭遇を描いているわけで、
今回は妖精であっただけ。
第6話の雄鹿もそのパターンであり、この手の話で面白かったのは第12話くらいで、
ほとんどつまらない。ま、その中でもまだ観れるほうであるがね。
(2004年9月4日書き下ろし)
第10話 ハローキャサリン 1983年9月2日放送
これは名作だと思う。
しかし私は優のファンであるため、素直にこの話を喜んで観れない。
この話はキャサリンとネガが主役であり、優は完全な脇役。
なので名作とわかっていても、キャサリンファンには申し訳ないが私の評価は低い。

でもネガとポジって、ネガのほうが優遇されてるよな。
「恐怖のハクション」の回でも主役とってるし。一方ポジは主役の話はついになかったような気が。
かわいそうなポジ。

豪華客船のマミのショーのために港にきたネガであったが、
優とはぐれたうえに頭にこぶをつくってしまった。
そこをキャサリンという女の子に助けられ、ネガは彼女が昔持っていた、
夢を写す小箱を取り戻す手伝いをすることになる。
キャサリンが4歳の頃に買ってもらった小箱は、開けると夢がいっぱい詰まっていた。
しかし日本を離れる際に、外国へ持っていけないことになり、自宅の庭の木の下に埋めたのだった。
キャサリンはその家があった場所を、ネガと一緒に探すのだった。

キャサリンよ、タクシーの乗り逃げはいかんよ(苦笑)。ネガもうなずくんじゃない。
ネガの水を飲む姿はかわいいが。
それとマミちゃんよ、危ないぞ、死ぬぞ!。
飛行中のヘリコプターの外につかまって歌うなんて!。
立花さんは何を考えてるんだ!?(苦笑)。
いや、それより顔色一つ変えずにいるマミちゃんのほうが、どうかしているかも(笑)。

方々を探し回ったあげく、ようやく家を発見するキャサリン。
門の前で見張られていたが、クリーニング屋の車に隠れて、屋敷に潜入することに成功する。
しかし犬のジョンも不憫だね。しっかり番犬の役果たしているのに、怒られてしまって。

キャサリンはやっと宝箱を埋めた木の下に着き、地面を掘り始めようやく宝箱と再会する。
しかし宝箱の中には、夢は詰まっていなかった。
ネガはポジと優に助けを求め、優はキャサリンに変装して船に戻るキャサリンを手助けした。
そして魔法を使って、ネガとポジをキャサリンの宝箱に投影させ、
ネガはこうキャサリンに言うのだった。

「キャサリンが、自分で夢を持つことをやめちまったからさ。この箱に気を取られすぎて、
自分の夢を忘れかけていたのさ。夢を小箱の中に閉じ込めといちゃ、ダメだよ。
もっと大きく、自由にキャサリンが自分で育てるんだ。」
ネガ、たまには良いこと言うじゃないか。見直したぞ(笑)。
(2004年9月4日書き下ろし)
第11話 パパは中年ライダー 1983年9月9日放送
優の両親てっちゃん、なっちゃんが主役の回。
2人が実は昔暴走族にいたことが明かされる回であるが、私はあまり好きではない。
なおこの回は、遠藤麻未さんが初めて作画監督を担当されている。
遠藤さんは「うる星やつら」の作画監督で、アニメファンにその名を知らしめたのだが、
クリィミーマミに転進した組の一人であり、以後数多くの話を担当されることになる。
総作監の河内日出夫さんと非常に絵が似ていることでも有名。

特になっちゃんは、カミナリ族の頭であったことが判明、
第8話でのハンドルを握ると人が変わるという性格は、この回への伏線であったわけであるが、
それにしても「僕が出て行きます」って、てっちゃん情けないぞ(苦笑)。
玄関を出てからも、ため息ついて後悔したりして。で何をトチ狂ったか、暴走族に入ってるし。

でもその暴走族ブルーエンジェルって、良い子の暴走族で、マミの大ファンだそうな。
そんなんあるか(苦笑)。
優も優で、ブルーエンジェルおびき寄せる為とはいえ、事務所に無断で勝手にマミの野外ライブしちゃうし、
立花さんの苦労わかります(笑)。

でクライマックスですが、てっちゃんよ、第1声でなっちゃんだとわかりなさい!(苦笑)。
バレバレじゃないですか。でもなっちゃん、そのバイクどこに隠してたの?。
あとカミナリ族にいたの20年前ですか、ふーん。たしか34話でなっちゃん、28歳って言ってない?。
(2004年9月6日書き下ろし)
第12話 スタジオは大停電! 1983年9月16日放送
第7話の単発キャラのはずのスネークジョーが、2度目の登場をした回。
「マミ」のTVシリーズ18話以前では、数少ない私が好きな話である。

台風が来ているというのに、マミのCM撮影が行われることになった。
撮影スタジオは、グレートスタジオ。しかしそこは、裏に墓地があるということもあって、
幽霊が出るという噂があるそうな。

同じスタジオでめぐみさんもCM撮りをしていたが、なんと「すっぱい屋の梅干」のCM。
一方マミはスポーツカーのCM。おまけに立花さんも観に来たが、めぐみではなくマミ目当て。
その差別に悔しさをあらわにするめぐみさんに、スネークジョーが話しかけてきた。
なんとしてもマミのスクープ写真が欲しいジョーは、めぐみと共謀してスタジオを停電にさせて、
その隙にめぐみさんがマミの水着を剥ぎ取り、マミのセクシーショットの撮影をしようと企んだ。
計画通りにスタジオを停電にさせたが、ここでなんと本物の幽霊がジョーとめぐみの前に現れて、
二人は気絶してしまうであった。

しかしスネークジョーが出てくると、どうしてこうも面白いのだろうか。
めぐみさんのCM撮影も笑えるし、ジョーがあいかわらず間抜けなところも笑える。
あげくのはてにスタジオに現れた幽霊が、なんとマミに一目ぼれしちゃうなんて。
マミもマミで、停電になったからって、撮影用の車で昼寝しちゃうし、
マミのところに来た幽霊にまったく驚かないし、おまけに幽霊のお腹にサインしちゃうし。

幽霊もなかなかいいキャラです。
雄鹿、妖精、ユニコーン、ざしきわらしなど、魔法を手に入れたことで、
今まで見えなかった人たちとの交流を描くストーリーが多かったTVシリーズ前半ですが、
その中で数少ない、うまくマミの世界観に合ったキャラかも。

今回は、なかなかうまく魔法を使ってますね。ネットをはずしたり、光で体を浮かしたり。
それと幽霊には魔法を見られても構わないのね。
しっかりジョーとめぐみさんの証拠写真を撮影してるし、冴えてるね優(笑)。
ただ、なんで幽霊がスタジオの自家発電のことまで知ってるの?。

それと立花さんよ、あなたらしくないぞ(笑)。
いくら暗闇が怖いからといって、あれだけ大切にしているマミを停電中ほっぽらかしにしておくなんて。
いつもなら、真っ先にマミの元に駆けつけて、無事かどうか確認し、マミを安心させるだろうに。

最後に、どうでもいいけど俊夫よ、もう立派な犯罪者でストーカーだぞ(笑)。
(2004年9月6日書き下ろし)
第13話 鏡のむこうのマミ 1983年9月23日放送
「マミ」のTVシリーズ前半26話の中で、1〜3話、25〜26話を除いた普通の話の中では、
この第13話は第19話、第20話、第23話と並んで屈指の名作と呼べるだろう。
あえて第18話以前に限定すれば、最高傑作であろう。
それほどこの「鏡のむこうのマミ」は名作である。

ようはミラーハウスで変身した際にドッペルゲンガーがおこり、
鏡のマミが実体化して大騒動になるという話なのだが、
ストーリーもすばらしいし、鏡のマミのキャラもいいし、その声優も後になってみたらすごいし、
言うことなしですね。

マミのショーのために遊園地にやってきた優は、ミラーハウスの中でマミに変身することにした。
しかしミラーハウスの鏡が作用したため、ドッペルゲンガー現象が起こってしまい、
鏡のマミが実体化してしまった。
みどりは偶然その鏡のマミに助けられるが(みどりは鏡のマミとはその時は知らない)、
その際に左手を出されたことが後々謎を解くキーワードとなっていく。

このへんの伏線もすばらしい。
鏡のマミはようは性格からなにから、現実のマミと正反対なわけで、それで左利きなわけである。
でその正反対なことを利用して、最終的に騒動を解決させていくのだが。

みどりはマミのショーの最中に、マミちゃんに会って左手で握手したことを、俊夫や優に言うが、
俊夫には「お前いいかげんにしろよ。握手ってのはな、右利きの人は右手でするもんなの。
左手で握手なんてするか」と一蹴されてしまった。
しかしその時、ネガだけはみどりの言葉に何かを感じていた。

ところがその夜、優はTVでとんでないものを観ることになった。
TVには何とマミがインタビューに答えていて、
「私の好きな人は、パルテノンプロの立花慎悟さんです。」
という爆弾発言をしていた。
偽者のマミがいることに気付いた優は、急いでパルテノンプロへ向かうことに。

閑話休題。おしんこクレープっておしいの?。あと優よ、よくタクシー代なんかあったね。

事務所に着いた途端、ものすごい数の報道陣に囲まれてしまったマミ。
木所さんが身を挺して守ったおかげで、事務所に入ることができた。
そこで立花さんやめぐみさんに、「本当に私、あんなこと言った覚えないもん」と伝えるマミ。
しかしそんなことでは、騒動はまったく治まらず、さらに悪化していくことに。

なんと後日、マミのセクシーショットの写真が雑誌に載ってしまった。
これまた優がまったく身に覚えのないもの。もう、マミの偽者の犯行は明らかであった。
俊夫はマミの事が信じられなくなってしまった。
そこでネガとポジは、今日のマミのサイン会に優が行かなければ、
偽者のマミが現れるのではないかと提案し、サイン会を見張ることにした。
その前に優に鏡を用意させるネガ。
「鏡なんて持ってってどうするの?」とポジもその理由が分からなかったが、
ネガは「行けばわかるさ」としか言わなかった。

この回のネガって、いつにも増して頼りになるなぁ。ポジも見直したかな(笑)。

予想通り偽者のマミは現れた。俊夫はマミが左手でサインをしていることに疑問を感じ、マミに忠告。
ところが改めて右手で書いたサインは、まったく字になっておらず明らかに不自然であった。
俊夫はその後マミに、
「出来れば、この間の雑誌の写真みたいなのは、あんまり撮って欲しくないんだけど」
と言ったのだが、ところがマミは「もっとすぱっと脱いじゃいたかった」と、とんでもない発言。
「ファンとしては、マミちゃんの清純なイメージを大切にしてもらいたいわけで」
と俊夫はさらに忠告したのだが、「そういうのやめて下さる」と返されてしまった。

ここでようやくおかしいと感じた俊夫は、真実を確かめるためにマミにこう切り出したのだった。
「ねぇマミちゃん、クレープ好き?」「嫌い」「あれぇ、確か大好物じゃなかったっけ?」
「じゃあ、たった今から大嫌いになったのよ」「ほぅ」「君、ちょっとしつこいんじゃない」
「そうかい?。マミのファンとしては、偽者を逃がす訳にはいかないからね」

皆に偽者呼ばわりされた鏡のマミは、「私のどこが偽者なの?」と反論したのだが、
そこへついに本物のマミが現れたのだった。
「本物がここに居るからよ」
思えば「マミ」の中で、初めて着たきり雀から脱却した瞬間がこのシーンであった。
今まではいつも同じ服をマミも着ていたが、このときは鏡のマミと区別するために、
別の衣装で登場したのだが、このマミちゃんかわいいよなぁ。
優は着たきり雀でいいけど、マミちゃんは服を変えたほうが、絶対いいです。
なお、マミの着たきり雀が本当に解消されるのは、19話からかな。

マミは鏡のマミに「本物だっていういう証拠でもあるの?」と言われてしまったが、
俊夫の機転で右手でサインをしてみせて、本物であることを証明したのだった。
偽者とばれてしまった鏡のマミは逃げ出したが、本物のマミも追いかけて
屋上で対峙することとなった。

そこで偽者のマミが、ドッペルゲンガーで鏡のマミが実体化したものであることがわかるのだが、
鏡のマミは鏡に戻ろうとしない。
そこでネガは鏡を出すのだった。「あれっ、これ効果あるみたいでやんの」「偶然とは恐ろしい」
再び逃げる鏡のマミを、また追いかけるマミ。

そしてついに逃げ場を失った鏡のマミに、再び鏡を向け近寄っていった。
そこでネガは、鏡に偽者のマミを映して割ってしまえば、ドッペルゲンガーは消えること知る。
しかし鏡のマミと話をしたマミは、こう告げるのだった。
「だったらあなたが本物のマミになればいいわ。私、好きで歌手になった訳じゃないもん。
あなたのほうが向いてるかもね。でも、ひとつだけ、これ約束ね。ファンの人たちの夢だけは壊さないで。」

言い終わって帰ろうとするマミに、鏡のマミは「私、鏡の中に帰る」と言い、自ら帰っていたのだった。
なぜ彼女は鏡の中に帰っていたのかは、わからないが。

名作である。特にラストシーンでのマミの言葉は、名セリフであろう。

この回で、鏡のマミの声を演じたのは、松井菜桜子さん。
なんとこれが彼女のデビューである。マミファンとして、胸を張って誇れることであろう。
なお松井菜桜子さんは、その後OVAで早川愛ちゃんの役を演じているが、
これは言うまでもないだろう。
(2004年9月6日書き下ろし)
第14話 私のMr.ドリーム 1983年9月30日放送
望月後藤コンビの亜細亜堂作品2話目。
作画監督の後藤真砂子さんは、初担当の第8話と比べてうまくなっているが、
まだ後期のすばらしさに比べると、完成形ではないかも。
それでも他の作画監督と比べると、絵の良さは際立っていて、
それがこの話を名作に仕立て上げているといえる。

ようは優が幼い頃から会いたいと思っていた、
彗星ドリームコメットの住人Mr.ドリームに会う話であり、まさに女子小学生向けの内容。
大人になった私には、ちょっと恥ずかしいストーリーであり、真正面から観れないのだが、
望月後藤コンビが担当しているため、18話以前の中では数少ない名作になっている。

それでも、Mr.ドリームが優の机の下のトンネルに這っていくシーンは、
ちょっと間抜けのような感じであるが。
それと俊夫よ、まさか新宿まで走ってきたのか?。
いつもはマミちゃんに会うために、電車で通ってるっていうのに?。

望月演出を挙げておけば、優がドレス姿になった時、ガラスの靴を履いているかを確かめるシーンで、
優の視線で描かれているところなんかでしょう。
こういった、さりげない所に演出の工夫がなされているのが、すごいです。

しかし改めて考えれば、この話にはマミが出てきませんね。
変身シーンが出てこなかったのは、第10話に次いで2回目ですが。
マミが出てこない話って、後半でも少ないと思うぞ。
(2004年9月14日書き下ろし)
第15話 虹色の天使 1983年10月7日放送
この回は、非常にもったいない回であると思う。
悪の妖精ビーノと、ウーフニックの関係の設定は、決して悪くなかったと思う。
シナリオ次第では、けっこうな名作になれたかも知れない。
もちろん、マミファンの中には、この話を好きな人もいるだろうが、
私はどうしても、そんなに好きにはなれなかった。

ウーフニックとは地球に37人いて、その人がいるだけで平和になるという妖精。
つまり吉野のおじいさんが、そのウーフニックがであったということ。
最も人間とウーフニックは見分けはつかず、ウーフニック自身も自分がウーフニックであることを知らない。
おまけに自分がウーフニックであることを知ると、なんとウーフニックは死んでしまうのである。

一方ビーノは、地球にいるウーフニックを見つけては、ウーフニックであることを教えようとする。
なぜならビーノは、ウーフニックを一人消すと、悪魔の使いに成長できるからだ。
ポジは吉野のおじいさんの右足の裏に、星型のほくろがあることを確認し、
優はビーノからおじいさんを守るため、おじいさんの家で見張ることになるのだが。

冒頭の、ビーノが地球に降り立つシーンは、うまく描けていると思う。
またビーノをおびき寄せる為に、さんまを焼いて待ち伏せるトコなんかも、いいと思う。
ラストシーンで、悪魔の使いに成長したビーノ自身が、虹の光を浴びてウーフニックになってしまうのも、
なかなか意外性があっていい。
それでも私にしてみれば、なんか好きになれない。なんでだろうか。

そういえば、前話「私のMr.ドリーム」に続いて、パルテノン3人組が出てこない。
当然マミも歌を歌わない。
つまりシリーズ当初のマミの芸能界の騒動を中心に描く話から、
優の日常を描く話にシフトしてっているのだが、この頃はまだ完全にうまくいっていない。

でも、決して悪くない話だ。これだけは言える。
最後に、優が吉野のおじいさんの家に突入する時に、
私が「マミ」の中で一番好きなBGMが初めて使われていることを、記しておく。
(2004年9月14日書き下ろし)
第16話 海に消えたメモリー 1983年10月14日放送
3話続けて優の話であり、パルテノン3人組は出てこない。
マミも、前話と同様にクライマックスでストーリーの都合上出てくるだけで、歌は歌わない。
TVシリーズ後半、優の日常を描く話が中心になり、次々に名作が生まれていくが、
だからといって、パルテノン3人組や、マミの芸能活動などがまったく出てこなかったか、
というとそんなことはなく、ほとんどの話でなんらかの形で登場している。

実は14〜17話は、4話続けてパルテノン3人組が出てこない。
と書くと、TVシリーズ後半の構成が、このへんで出始めてきたのかと思うが、
本当に優一辺倒の話になってしまっている所が、失敗だったのではと思う。

ま、この話に関しては、そういうことより、ゲストキャラのあゆみがすべてなのだが。
言うまでもなく、優の恋愛対象は俊夫だ。
だから俊夫以外のキャラが優と仲良くなるのは、正直許せない。
もし許せるとすれば、そのキャラを私が好きになれる場合のみ。
TVシリーズ後半から登場する守くんが真っ先に思い浮かぶが、
なによりの好例が第46話に登場する貴宏。

つまりこの話も、あゆみというキャラを私が受け入れられれば、好きな話になるのだが、
残念ながら好きになれなかった。だからこの話は、はっきり言って嫌いである。
シナリオにしても、6年前の難破船がまだ撤去されずに残っているなんて、
環境保護的に見ても絶対ありえない。
それに何年間も座礁していた難破船が、あんな衝撃で再び海上に出るなんて、もっとありえない。

あと蛇足だが、何も海中でマミにわざわざ変身しなくてもよかったのでは?。
優のままでもステッキを振りかざせば、魔法は使えると思うのだが。

私が一番好きなBGMも、2回目の使用がなされているが、あまりいいシーンで使われておらず、
それも残念である。
ま、タクシーとベンツのカーチェイスシーンは、笑えたけどね。
(2004年9月14日書き下ろし)
第17話 時のねむる森 1983年10月21日放送
パルテノン3人組がでなくなって4話目。すっかり寂しくなってしまった感がある。
今回は優が、絵がうまくなるという伝説のある森を訪れた際、異世界に迷い込み、
13歳でこの森で行方不明になった天才少女画家、中原美也と出会うストーリーなのだが、
まあ、なんというか、優のおせっかいがすべての話かな。

優は美也を自分の世界に戻そうと思うが、ユニコーンに邪魔をされてしまう。
なぜなら美也の寿命は14歳で尽きているから。
ちょっとしんみりさせられるストーリーではあるが、でもたいした話ではない。
う〜ん、こういうファンタジーものは、なかなか難しいよなぁ。

それでもあえて好きなシーンを挙げるとすれば、
せきこむネガと介抱するポジがかわいいところかな。

実はこの「時のねむる森」、第13話から「マミ」を見始めた私が、
初めてビデオに録画した話であったりするのだが、それはどうでもいいこと。
(2004年9月14日書き下ろし)
第18話 ざしきわらしの冒険 1983年10月28日放送
駄作であると思う。
マミが魔法を手に入れたことで、今まで見えなかった人たちとの交流を描くストーリーの一つなのだが、
それだけに終わってしまった。
やっとパルテノン3人組が復活し、マミの芸能界の話が描かれたと思いきや、
こんなストーリーではホント残念。

もっとも本当の視聴者層である、小学生向けに描かれた話なんだろうな。
そうと分かっていても、改めて見ようとも思わない回である。ま、それでもプップクプーよりはマシだが。

なお、この話では5話ぶりにマミが「デリケートに好きして」を歌うのだが、
実は普通のエピソードでは最後に歌った回であり、
この後は中盤3部作の26話と、最終回にか歌われない。あるいみ貴重なのかも。

いや、めぐみさんの「ラストキッスでGOOD LACK」が、1番フルで歌われたことのほうが貴重かな?
(2004年9月14日書き下ろし)
第19話 マミの一番長い日 1983年11月4日放送
マミの新曲キャンペーンコンサートの日、なぜかマミと木所さんは新島(あたらじま)にいた。
木所さんがCF撮影の日と勘違いして、マミを連れてきてしまったのだ。
夕方6時までにコンサート会場の野球場(だぶん後楽園球場)に戻らなくてはならない。
マミの一番長い日が始まった。

新曲「BIN・KANルージュ」を初めてマミが歌ったのが、この回。
今までほとんど「デリケートに好きして」しか歌っていなかったマミ、
というかそれしか持ち歌がなかったのだが、そんななかで登場した待望のマミの新曲を、
新曲キャンペーンコンサートという形で御披露目したのはうまい。

そしてそのコンサート会場に時間までに辿りつくために、
立花さんはありとあらゆる手を使ってチャーター機を手配するが、
木所さんとマミは偶然着たセスナに同乗して、なんと大阪に行ってしまった。
大阪から飛行機で東京を目指そうとしたが、キャンセル待ちで乗れず駅へ。
なんとか新幹線で東京へ向かったが、三島で路線故障のため静岡駅で立ち往生してしまう。
新幹線の車内で座っていたマミは、ふと甘グリ隊の静岡公演のポスターが目に入り、
そこにステージカーが写っていた。

仕方なく静岡からステージカーを飛ばしていったが、道を間違えたうえ、
ステージカーを谷に転落させ、ついたのは箱根芦ノ湖。
何でこうも木所さんとマミに、災難が降りかかるのでしょうか(笑)。
しかし第8話から久しぶりに登場したステージカーが、こうもあっさり木所さんによって、
谷に転落させられておしゃかになってしまうなんて。車ですがかわいそうです(苦笑)。

あとめぐみさんのセリフ「ハイウェイバスに乗ったほうが良かったんじゃない?」
非常に的を突いていますね、めぐみさん。でももっと早くその助言をして欲しかったなぁ。

「な、なに〜!今なんつった?」そりゃステージカーおしゃかにしたら、立花さん驚くよな(苦笑)。

芦ノ湖で休憩していたマミだが、ポジとネガは狭いトコに閉じ込められていたので、
散歩にでかけてしまったうえ、ネガが遊覧船に乗せられてしまい、ポジと優もネガを追って遊覧船へ。
ネガを探している間に遊覧船は出航してしまい、マミは船を戻そうと魔法を使ったが大失敗。
対岸に全速力で行ってしまったのだった。
もう面白すぎます。本当にマミと木所さんはいいコンビですな。

おまけに立花さんのセリフがまた最高です。
「マミは、マミちゃんは、お舟に乗って、行っちゃったんだって〜」
久々にみて爆笑しましたよ。

さて、船で桃源台についたマミは、
ロープウェー、ケーブルカー、箱根登山鉄道、ロマンスカーと乗り継いで、
東京を目指すことにしたが、
お金がないため遠足か旅行で来ていた小学生の団体に優の姿で紛れ込んで乗ることに。
つまりここでやっと優が登場。しかも自然な感じで無理がない、いい登場の仕方だと思う。

まためぐみさんのセリフがいいですね。
「あの子はいつだって何とかしたわ。連絡を待ちましょう。」

さて新宿駅に5時47分に着くことを知った優は、
魔法の力を使って俊夫のウォークマンに声を届けマミのことを知らせる。
そのことを知った立花さんは早速迎えの車を出すが、それでは開演時間に間に合わない。
そこでめぐみさんが出した案は・・・。

「マミ」は、この第19話から変わったと思う。
それまで名作は数えるほどしかなかったが、この19話以降逆に駄作が数えるほどの少なさになり、
作品の質が大きく上がっていった。
その理由のひとつが、「BIN・KANルージュ」の登場であろう。
それまでは、デビュー曲の「デリケートに好きして」を歌っていたわけだが、
この曲はまさにアイドルらしいデビュー曲であり、OPで聴いている分にはいいが、
劇中で歌うシーンとなるとマンネリ感が漂い始め、飽きてきていた。

そこに、まさにアイドルポップスらしいアイドルポップスの「BIN・KANルージュ」が登場したのである。
作品の雰囲気もガラッと変わり、一気に華やかになった。
そして、なにより「BIN・KANルージュ」が名曲であったこと。これが大きかった。
当然この回以降、マミが歌う曲は「BIN・KANルージュ」になる。

さらに、着たきり雀であったマミが、この回からいろんな衣装を着始めていく。
アイドルなのにいつも同じ衣装なのはおかしい、とさすがに思ったのだろうが、
こういう改革が起こること自体が、スタッフ側も「マミ」の作り方が判ってきた証拠であろう
「マミ」は19話が、ターニングポイントだったと思う。

ちなみにこの話で着ているマミの服は、私が一番好きな服である。
(2004年9月15日加筆)
第20話 危険なおくりもの! 1983年11月11日放送
サブタイトルランキング第7位を参照
第21話 かわいい恋のパーティ 1983年11月18日放送
スネークジョー3回目の登場の回。
立花さんのバースデーパーティに、
立花さんのお父さんがニューヨークからわざわざ来ることになった。
しかも見合いの話まで持ってくるという。
あせった立花さんは、パーティの日に自分が好きな人を紹介すると言ってしまう。

いきなりマミの「BIN・KANルージュ」を歌うシーンから始まりますね。
う〜ん、つかみはOK、ってことですかね。
確かにマミちゃんが「BIN・KANルージュ」を歌っているだけで、頬がゆるくなってしまいます。
そういえば、遠藤麻未さんが初めて描いた「BIN・KANルージュ」の歌うシーンですよね。
立花さんの電話で、飛び飛びになりながら、最後まで歌ってくれたのも嬉しい演出です。
着たきり雀でなくなったマミを描くのも、遠藤麻未さんでは初。このへんも注目です。

で、慎悟の父親であり、パルテノンプロ初代社長でもある、立花会長初登場〜。
この人は、登場するたびに大騒動を起こしてくれます。
今回は見合い話を持って、久しぶりに日本に来るわけだが、
立花さんよ、めぐみさんが怒るのも無理ないぞ。
あんなに立花さんのこと想ってるのに、
「マミに、相談してこよーっと」なんてめぐみさんの目の前で言うなんて(苦笑)。

で、スネークジョー登場。まためぐみさんとつるんでますな(笑)。
でも今回は、それほどの活躍はしないんだよね、スネークジョーは。
たまたま通りかかった俊夫を、マミちゃんも来るからと言って、
立花さんのバースデーパーティに招待させたのも、めぐみさんの思いつきだしね。

次の日、俊夫とデートしていた優は、商店街で福引をやっているのを見つけ、
俊夫に券をもらってやってみると、なんと2等が当たってしまった。
商品は、ワンダーランド夜の部のペア券。
俊夫はパーティと同じ日なのに気付き、今回は優に付き合おうとする。

パーティの前日、マミは立花さんにパーティに来てくれとせがまれるが、
用事があると言って断ってしまう。
しかしそのときに、事もあろうにワンダーランドの入場券の入ったバックを、車に置き忘れてしまうのだった。
ってマミちゃんよ、なんでそんなチケットまで持ってきてる訳?。
家に置いてくれば良かったのに。
でも、立花さんの腕を噛んでるマミちゃんもかわいいなぁ。

立花さんよ、マミちゃんに事務所の鍵を閉めて閉じこまれたけど、
あなたは事務所の鍵を持ってないのかい?。
でマミから優に戻ったはいいが、立花さんからの電話と勘違いして、
俊夫からの電話に「あしたダメなの、行けないの。」と言ってしまい、
俊夫は優よりマミちゃんを選んでしまうのでした。

さていよいよパーティ当日。
優は家を出てから、チケットを立花さんの車の中に置き忘れてしまったことにようやく気付く訳だが、
普通家を出る前に確かめない?、チケットがあるかくらい(苦笑)。

そこで立花さんの家に向かった優だったが、
立花さんに見つかってしまううえに、なんと俊夫の姿を発見してしまい、ガッカリしてしまう。

優と俊夫の恋をメインにあつかった回であり、優の俊夫への愛情がとても感じられるだけに、
俊夫に約束を破られたと感じたときのマミの表情がなんともいえず、胸を締め付ける。

俊夫のことが許せないマミは、俊夫へのメッセージをジュースに添えてボーイに託した。
しかしそれをめぐみさんはしっかり見ており、俊夫に渡される前にめぐみさんは読んでしまう。
チャンス到来とばかりに、スネークジョーにそのメッセージを見せるめぐみさん。
でジョーは、司会者に伝えて、電撃的な婚約発表が始まってしまう。
ステージに呼ばれたのは、なんとマミ。この時の、肉にかぶりついているマミちゃん、萌え。

「マミちゃんの恋人は、大伴俊夫くんです」
そりゃ俊夫驚くよ。おまけにマミが書いたメッセージを、めぐみさんが読んじゃうし。
マミが俊夫と付き合っているという、スクープになってしまう事態を、
マミはステージを抜けて優に戻り、そのメッセージは私が書いたと証言し、
事なきを得るのだが、立花さんに
「そうだ。いっそのこと君たちが婚約すれば?」
とか言われてしまって、優と俊夫は固まってしまうのでした。で、優の名セリフが。

「マミ、マミ、って言ってちっとも私のことをかまってくれない俊夫なんて嫌いだ!」
小学生の女の子がこんなセリフを言ってしまうなんて、
とか思ってしまうが、なかなかの名セリフである。

その後立花会長の前で、慎悟をぶってしまうめぐみさんには、笑わせてもらいましたが、
最後はワンダーランドでの優と俊夫で、グッと締めてくれます。
でも、一言でもごめんと言ってほしかったなぁ、俊夫には。

最後に。やっぱスネークジョー全然活躍してないね。出てくる意味ないんだけど(苦笑)
(2004年9月15日加筆)
第22話 みどり君とプップクプー 1983年11月25日放送
駄作である。改めて観たくもない回である。
第23話 星のパラソル 1983年12月2日放送
スネークジョー4回目の登場の回。

昆進之介初作監の回。
「マミ」の作画監督といえば、総作画監督であり第1話からコンスタントに担当している、河内日出夫さん。
うる星からのスライド組であり、河内さんにとてもよく似た絵を描く、遠藤麻未さん。
亜細亜堂のスタッフであり、最もかわいい優&マミを描くことでファンの絶大な支持を得た後藤真砂子さん。
の3人が最も知られているが、上記3人に次いで担当した話が多いのが、昆進之介さんであった。

しかし、お世辞にも、絵がうまいとは言えなかった。
上記3人とは、明からに絵が違いすぎた。
それでも昆氏は、後半上記3人とともに作画監督のローテーションに入っていくことになる。

必然的に昆氏が担当した回は、評価が低くなってしまい、
中にはまったく嫌いな話も生まれてしまったのだが、だからといって名作がなかったわけでもない。
シナリオがいい話では、私でも何度も見直すほどのいい話が生まれたのである。
そしてそれがこの回。「マミ」デビュー作が、昆作監の最高傑作であった。

しかしそれは裏を返せば、「星のパラソル」は非常に惜しい回であったといえる。
TVシリーズ前半では、「鏡のむこうのマミ」に匹敵するほどのシナリオの良さである。
それでもサブタイトルランキングに入るほどの評価が与えられかったのは、
昆作監であったからにほかならず、もし他の作画監督が担当していたなら、
「マミ」を代表する名作になっていたかも知れない。本当に惜しいことをしたものだ。

この「星のパラソル」は、めぐみさんと立花さんの出会いにまつわる話であり、
めぐみさんのデビュー当時が回想シーンで描かれていたりして、
めぐみさんのイメージを大きく変えた話である。
そこにスネークジョーがからみ、めぐみさんのプロダクション移籍問題にまで発展するという、
「マミ」という小学生がメインターゲットのアニメにしては、非常に対象年齢が高いストーリである。
そこが私のような大きいお友達にしては、逆にストーリーに共感を持ちやすかったのかも知れない。

第19話にて初登場し、前話にも登場したマミのDJブース。すっかりマミの名物になった。
おっと、そんなことは話に関係なかった。

立花さんがめぐみに、「我が社のトップスター」という番組にでてくれないか、と聞いてきたが、
スネークジョーがめぐみさんに近寄り、実はマミが夜中の番組には出られないと断ったため、
仕方なくめぐみさんに決めたということを言ってきた。
慎悟のやり方に大きく腹を立てためぐみさんにジョーは、
LPプロの片岡社長がめぐみさんを引き抜きたい考えであることを告げてきた。
LPプロといえば、慎悟のライバルであった。

あいかわらず自分のことを大事に思っていない慎悟とケンカの末、
慎悟の口から「そんなにLPプロがいいなら行っちまえばいいだろ!」と言われてしまう。
めぐみさんも売り言葉に買い言葉で、「そこまで言うなら、LPプロに行くわよ」と行ってしまう。
しかし、慎悟の本心はもちろんめぐみにはLPプロに行って欲しくないわけで、ひどく悩むのだった。

いつものケンカと思いきや、今回はめぐみさんが他の事務所に移籍してしまうところにまで発展。
ただごとではない。優だってもちろん、めぐみさんに移って欲しくない。
そんなそれぞれの思いが交錯し、実にストーリーに惹きこまれてしまう。

そんなおり、めぐみさんはスネークジョーに誘われてLPプロの片岡社長に会いに出かけてしまう。
しかし、静山の交差点でいきなりジョーの車から降りると、そのまま地下鉄へ。
めぐみさんを追っかけてきた優に、
「星のパラソルで待ってる」と慎悟に伝えてくれと言い、そのまま去ってしまった。

立花さんにそのことを伝えた優と俊夫だったが、当の立花さんは「星のパラソル」など知らないという。
手がかりはめぐみさんが車を降りた静山交差点にあると思い、
皆で星のパラソルについて聞いてまわったが、わからなかった。
そこで改めて立花さんに問いただすと、交差点から見えるCentral Hallの屋根を見て、
ようやくめぐみさんがデビューしたての頃の事を思い出すのだった。

2年前、デビューしたての初々しかった(失礼)めぐみさんは、立花さんと熱帯園を見ながら、
「まるで星のパラソルみたい」とつぶやいたことがあった。
星のパラソルとは、熱帯園のことであった。
しかしめぐみさんも、なかなかロマンチックなことを言ってたんですねぇ。
しかもその頃から、立花さんのことを想っていたとは。
マミに隠れてしまっているが、めぐみさんだってホントいいですよね。

しかし、ジョーもまだ諦めていなかった。しっかり立花さんの後をつけて、
しかも先に熱帯園に入ってめぐみさんに接触してしまう。
そこで優はマミに変身し、ジョーに魔法でいたずらをし、木につかまってしまう。
あ、マミ、私が一番好きな服を着てくれてますね。嬉しいなぁ。

ようやくめぐみさんと再会できた立花さんは、
「もう一度戻ってきてくれないか」と伝えるのであった。
いや〜、いいストーリーですねぇ。感動ものですよ。

でラストには、しっかりLPプロのオチがついていますし。
「なにがしぶしぶアタックさせたよ」めぐみさんには幸せになって欲しいものです(笑)。
(2004年9月16日加筆)
第24話 クマ熊オーディション 1983年12月9日放送
「北の動物家族」という映画のオーディションを受けることになったマミ。
「動物だーいすき」なマミは、他のオーディション参加者が熊に尻込みしているのに、
ひとり熊のマールにえさを与えようとして審査員にも好印象を与え、
ほぼ主役決定のところまでいっていた。

ところが審査の最中にマールが倒れてしまい、
オーディションはやり直しとなってしまった。
熊の世話係の薫は、北海道に帰りたがっているマールのことを思い、
マールとともに脱走してしまう。
社長とともにマールと薫を探しあてた角丸プロデューサーは、
必死にマールを介護する薫の姿をみて、薫を映画に出演させて、
マールの相手役をさせることに決めるのだった。
しかも北海道でロケーションをするといわれ、薫はマールに抱きつくのだった。

しかし、薫ちゃんはかわいいなぁ。結構萌えるよ。ネガが赤くなるのもわかるなぁ。
角丸プロデューサーが、薫ちゃんをみて「うん、ルックスも悪くない」と言っていたが、
悪くないどころか、めちゃくちゃかわいいんでないかい。
一話限りのゲストとは非常にもったいなかったような気がする。
でもさすがに北海道までは、歩いて行けなかったと思うぞ。

あとマールを見て、気絶してしまうネガとポジ、やっぱかわいいなぁ。
あんな猫だったら、私だってペットに欲しいぞ。

オーディションについて。
最初の審査の牛の時点から、マミはまったく牛に怖がらずスキンシップを図ったが、
いくらなんでも熊に対してまったく怖がらないなんて、一体マミちゃんはどういう神経しているの?(笑)

しかし改めて観返してみてわかったんだが、
薫ちゃんの声って「オレンジロード」のひかるちゃんだったのね。
気付かなかったよ、俺。

この「クマ熊オーディション」は、なかなかの名作である。
薫ちゃんというゲストキャラが、いまくいかされていたと思う。
オーディションではほぼマミに主役が決まりかける、とマミを主に添えた話かと思いきや、
実は薫ちゃんメインの話であったというもの面白いところ。
また薫ちゃんのかわいさは、遠藤麻未さんが作画監督を担当されたことも大きいかも。
遠藤さんは、優にしても河内さんと非常に似ている絵を描くが、
ちょっと幼さが河内さんより入っていて、そこが萌えるんだけど、
まさに薫ちゃんはその微妙な幼さがあって、萌えキャラとして非常に感情移入しやすかったんだと思う。
(2004年9月16日加筆)
第25話 波乱!歌謡祭の夜 1983年12月16日放送
優がマミに変身するところを、俊夫に見られてしまうというショッキングな回。
当初は全26話の予定であったため、
この事件がきっかけで優は魔法を返して終わるシナリオであった。
結局放映延長が決まったため、マミ中盤三部作の第1話という位置付けになった。

と書いたが、当初から全52話の予定で製作されていなくてホントよかったと思う。
もしそのような構成をしていたら、中盤にこのようなストーリーを挟んだかどうか。
「マミ」が優れているのは、1〜3話の序盤3部作、50〜52話のラスト3部作とともに、
この中盤3部作があり、シリーズの節目になるところに、
きちっと魔法そのものに関するエピソードで盛り上げていることであるから。

年末のNPB歌謡祭で新人賞を狙うことになり、いつもに増して大忙しのマミ。
マミの仕事があるために、俊夫と一緒にパルテノンプロに行く予定をすっぽかしてしまう優。
これが俊夫の、優への疑惑のすべての始まりであった。まあ、それ以前にも同じようなことはあったが。

その頃スタジオに滑り込みセーフしたマミだが、急いでいることを強調するため、
変身シーンを描かずにセットの裏を走っている最中に光があふれて、変身していることをわからせている。
この演出はうまいと思う。

仕事の合間にパルテノンプロで会った俊夫に、ついマミの姿で「ごめ〜ん」と謝ってしまう。
これがまた俊夫の疑惑を増やすことになるのだが、ここでもマミちゃん例の服を着てくれてるねぇ。
私それだけでニンマリしてしまいます。

ちなみにマミちゃんは、このとき既に「午後8時のシンデレラ」というキャッチコピーができていたりする。
ってなんで俊夫はそんなことまで知ってるんだ?
まあ、パルテノンプロは顔パスなんだから、知っててもおかしくないか。

俊夫は木所さんから、抽選でしか手に入らないNPB歌謡祭のチケットを3枚もらう約束をしていたが、
残念ながら2枚しか木所さんは手に入れられなかった。
優とみどりと3人で歌謡祭に行こうとしていた俊夫は悩むのだったが、優の口から、
「あたしだったらいいよ、行かなくても。みどりくんと行きなよ。だってどうせ一緒に行けないんだもん。」
と言われてしまう。
俊夫「お前最近おかしいぞ。3人でパルテノンプロ行こうっていったのに、来なかったしさ。
 今まで約束破ったことなかったのに。」
優「だから謝ったじゃない。」
俊夫「嘘つけよな。謝られた覚えないぞ。」
優「だからパルテノンプロで・・あっ、大きな声ださないでよ。」

ぎくしゃくしてしまった優と俊夫、そして・・・
俊夫「優は歌謡祭に行きたくないんだってさ」
優「違うよ。ただ一緒に行けないって」
俊夫「同じことだろっ。でもそのほうがいいかもな。マミちゃんだってファンでもない子に、
 無理に来てもらっても嬉しくないしさ。」
優「そんなにマミがいいの?」
俊夫「もちろん月とすっぽん。優なんてさ、どう頑張ってもマミちゃんみたいにはなれねえもんな。」
優「俊夫の、バカ〜!」

この会話には、この作品の真理ともとれることが含まれている。
優が魔法を使ってマミに変身することは、煌びやかな衣装をまとい、
多くのファンの声援を受けながらアイドル歌手としてステージにたつことであるが、
それは優が望んでそうなったことではなく、アイドル歌手にされてしまったから。
優にとってアイドル歌手にはなんの未練もないが、それでもステージに立ち続けているのは、
自分が好きな俊夫が応援してくれるからである。

しかし俊夫が好きなのは、あくまで変身後のマミであるため、
マミに変身するということは、優にとって恋のライバルになることでもあるのだ。
優にとっては俊夫にはマミではなく、優を見て欲しいわけで、
この俊夫の一言は、優に大きなショックを与えたことはいうまでもない。

マミはとうとうNPB歌謡祭には出たくないと言い出し、立花さんを困らせるが、
めぐみさんはマミをサイン会に誘い、自分にも大勢のファンがいて、
そのファンの期待に応えることが重要なのだと改めて教わるのだった。
そしてマミは思うのだった。これで最後にしようと。
しかしついに俊夫と仲直りが出来ないまま、歌謡祭当日を迎えてしまったのだった。

う〜ん、めぐみさんどんどんいい人になっていきますね。
ってもともといい人なんだけどね。めぐみさんの好感度さらにアップですよ。

学校を早退してまでどこかに行ってしまった優に不信を抱いたまま、
みどりと歌謡祭に向かった俊夫だったが、
歌謡祭の会場でマミから優に戻り、俊夫を探している優の姿を発見してしまう。
優は結局俊夫を探し出すことは出来なかったうえ、俊夫に後を付けられているとも知らず。
その優の姿を追って俊夫がたどりついた場所は、なんとマミの控え室であった。
(っていうか、何でそんな場所まで俊夫は入れたんだ?。一般のファンが入れる場所じゃなかろうに。)

そして俊夫はドアを開け、見てしまうのだった。優がマミに変身するところを。

この時の衝撃は、今でも忘れることはできない。
上でも書いたとおり、続きが見たくて仕方なかったのだが、この回の放送のあと、
次回の放送まで4日も待たねばならず、それはもう待ち遠しくて、
放送終了から丸一日マミのことしか考えられないという事態にまで発展。
この日、マミは私にとって忘れることの出来ない作品になったわけである。
なお、この時の私の状況のような、
あるひとつのことしか頭の中で考えられないという症状を、のちに最初に起こったマミに敬意を表して、
「クリィミーマミ症候群」と名づけるようになったことも、付け加えておく。

加筆分であるが、今見ても伝説のあのシーンは、背中がゾクゾクする。
優最後のクリィミーステッキでの変身シーン。私は永遠にこの場面を忘れないだろう。

最後になるが、この第25話を河内日出夫さんが作画監督を担当されたことを触れておく。
たとえ放送延長が決まったとはいえ、第26話がなによりのクライマックスであることから、
普通なら総作監の河内さんが担当するのが筋である。
しかし河内さんは、第26話ではなく、そのひとつ前の第25話を担当している。
これがどういう経緯でなったのかは知らないが、これは英断といっていいだろう。
そのことについては、第26話でも触れることにしよう。
(2004年9月16日加筆)
第26話 バイバイ・ミラクル 1983年12月23日放送
サブタイトルランキング第3位を参照

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